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17/10/28 メトロポリスと その同時代抽象的図案集と 中国的図案集と

 ■イタリア帰国直後より、臨時休業してみたり、お知らせしないまま当ページの更新を休んだり、これまで以上に気まぐれな仕事ぶりに、呆れられていることと存じます。大変申し訳ございません。
この状況、あと1~2ヵ月続きそうで、ここ8年というもの新年吉例となっておりました「銀座 古書の市」も、次回2018年1月開催の1回、お休みさせていただくこととなりました
年に一度の合同目録への参加、催事会場でのお客様とのやりとり、参加店ご同業の方たちとの交流など、小店店主も毎年楽しみにしていただけに、本当に残念でなりません。
しばらくは営業日時等、不安定な状況が続きますが、営業日や営業時間の急な変更等、Facebookの小店のページ (「Facebook 古書 日月堂」で検索して下さい) で随時お知らせいたしますので、ご確認いただければ幸甚に存じます。
これまで以上にご不便とお手数をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。
どうかご海容の上、よろしくお願い申し上げます。

「銀座 古書の市」を1回お休みする、と云うことは、つまり、合同目録に掲載予定だったものを店頭販売する、と云うことになります。
とくに夏頃から10月上旬までに仕入れたものにのなかには、目録用にと放置していたものもあり結構ありまして、そうしたものも再度掘り起こしては、このページでご紹介したり、随時店頭に出していきたいと思います。
そのひとつが森永の広告まで一体化した斬新なデザインが目をひく映画「メトロポリス」のプログラム渋谷駅近くにあったという映画館「渋谷キネマ」の週報にあたる印刷物で、1929年4月18日号。グレーの色紙に黒と赤の2色刷りを施した計4ページに、白の普通紙に上映作のスタッフや梗概等を紹介した4ページの合計8ページ。

1927年公開のフリッツ・ラング監督による映画「メトロポリス」は“SF映画黎明期の傑作”とも、“SF映画の原点にして頂点”とも称される皆様ご存知不朽の名作。
日本での公開は1929年の4月3日とされており、渋谷キネマでの上映は同じ月内とは云うものの、封切館だった松竹座から遅れてのことでありまして、さらに、「ウォール街の狼」との2本立てで、外国人女性出演の「ヴォードビル(ヌードダンス)」を挟んでの上映と、公開時から見ると何となく一段落ちの感は否めませんが、この週報に限っては、ご覧の通り並々ならぬ力の入れ方であります。メトロポリスはモードだった。おそらく。
これまでに、封切館となった松竹座の週報「松竹座ウィークリー」のメトロポリス公開当時のものについては、国内に5館あった松竹座の内、4館分までを集めながら(それぞれ異装)、名古屋だったか道頓堀だったかどうしてもあと1館分が手に入らず、あきらめて売却するなど何度か扱ってきましたが、今回入荷の“渋谷キネマ ヴァージョン”は初見でした。まさかこんなものがあったとは。紙モノの世界、何年経ってもまだまだ底は見えません。

■装飾美術分野の図案集の仕事を中心に、アール・デコ時代のフランスで活躍したデザイナー Serge Gladkyのポショワールの図案集が久しぶりに入荷しました。
2点目の画像がそれで、タイトルは『SERGE GLADKY COMPOSITIONS ORNAMENTALES』
巻頭テキストはあるものの、刊期の記載なく、先週来調べているのですが、この書籍に関する情報に行き当たらず、それによって 「もしかしてレア?」と考えている1冊。
この人の作品集に多くみられるポートフォリオに未綴じのプレートを収めるスタイルではなく、大ぶりなフランス装 (軽装判、糸綴じ)の体裁ですが、数葉がすでに綴じからほとんどはずれかけており、表紙の状態が悪く、プレート毎の状態にも開きがあるなどから考えて、ここは思い切ってプレートバラ売りにするか? というのをただいま熟考中。

 ■中国のデザインについては、おそらく古ければ古いほど、洗練されたものがあるのではないかと思いつつ、近現代のデザインについてはこれまでほとんど注意を払うことがなかったのですが、この図案集については買う気にさせられました。
『中国戯曲服装図案』がそれで、東北戯曲研究院研究室編、北京の人民美術出版社が1957年に発行したもの。タイトル、中国語の「前言」、目録(図版プレートリスト)を記載した全4Pの印刷物と、フルカラーの図案73図を収めた未綴じのプレートとで成るもので、シルク装の帙に収められています。
ソモ「中国戯曲」トハ何ゾ。と検索してみると、“「戯」は舞踊や雑技、「曲」は歌謡の意味で、劇中に舞踏や歌謡が用いられることを特徴とする。科(しぐさ)・白(せりふ)・曲(うた)によって構成され、科白のない散曲と対照される言葉である”とwikiにあり、「京劇」などの生まれた近現代より、古くは漢の時代に遡るのだとか。
こうした「中国戯曲」の衣装に使われていたデザインを、大陸各地で調査しまとめたのがこの図案集で、氏名がクレジットされている3人の中国人絵師が絵に起こしています。
古典的なデザインを意図的に蒐めたのか、あるいは時代的に古いものが多いせいか、西洋と東洋を混合したかのような意匠が多く、また、抽象化の度合いも高い点が、珍しく小店が中国もののこのデザイン集に手を伸ばした理由です。
印刷は、顔料の上から薄く蝋を引いたような不思議な肌合いがあり、一体どのような技法で印刷されたものか詳らかにしませんが、すべて発色よく、色合いは上品で、こちらもプレート売りした方がよさそうなものの、揃っているからには一括で販売。当然ながら。良質な図案集だと思いますが、さて、小店で植民地や戦時関係資料以外の中国ものが果たして売れるのかどうか。
ともあれご興味ある方は是非店頭でご覧ください。

■さて。次回更新は来週か、再来週か、また少しの間お待たせいたしますが、新着品だけは陸続と。でありますので、ご来店のほど改めてお願い申し上げる次第であります。

17/10/14 珍しいロシア革命当時のポスター作品の本とスクラップブック

 ■眠い。眠たくて仕方ない。ただいま2時48分。やっと解説を書き始めたところですが、イタリアからの帰国後、時差ボケを解消するチャンスを逸し続けた結果、一向に眠気のやってこない夜と眠くて仕方のない昼が交互にやってくる繰り返しだったのが、昨日頃からはもう一日中眠たい。眠たくてもやらないことには店をやってる意味がなくなく新着品のご案内です。
などと、ご存知の方もおいでかと思いますが、要はスペースの関係で文章の引き延ばしにかかっているわけです。
なのに。こうして見ると、そう延びてない。書いてるつもりなのに。眠いのに。う。
無駄なてーこーはやめて行きます。新着品の1点目へ。

書誌を調べていたら出てきたのがチューリッヒの古書店によるもので、ドイツ語併記のタイトルをそのまま使いまわしさせていただきます。
『Russkij Revoljuzionnyj Plakat [Das Russische Revolutionsplakat]』
ロシア革命期の代表的なポスターに関する書籍で、1925年、モスクワで発行されました。
大判の上製本で、多くのモノクロの図版を挿入したテキスト192Pの間に、カラーリトグラフ片面刷によるポスター図版54Pが適宜とじ込まれるという構成。
革命の時代のプロパガンダを中心に取り上げられているため、日本人にも好きだという方の多い所謂“ロシア・アヴァンギャルド”風のものは数えるほどですが、そのためにかえって見たことのないポスターが多数を占める結果となっている他、柳瀬正夢や村山知義あたりのプロレタリア美術系の作品に、より近い表現が多くみられます。
用紙は決して良質とは云えませんが、かなり小さな刷面で構成されているものなど見ると、リトグラフの精度の高さに唸ること、受合います。

 彼のチューリッヒの古書店の評価額は なかなかのものですが、ロシア革命当時のポスターの入手がいかに困難かと云うことを考えると、首肯したくなるとはいえ、そこまでの思い切りのない小店は、そこから“ぐぐぐ”程度下げてのリリースを予定いたしております。
あ。この頃すでにロシアには「ラッピング・トレイン」があって写真が載っています。ちょっとびっくり。

■画像2点目は久しぶりのスクラップ・ブック。同じ人が持っていたと思われる3冊一括での販売となります。
内容は、1920年代後半から1930年代を中心に、モダン・デザイン、アール・デコに基軸をおいたセンスの良い西欧広告物を集めたもので、デザインの仕事に関わっていた人のものなのか、水彩によるデザイン原画と見られるものも多く散見されます。
また、デザインサンプルとして収集された端物印刷物には、石版刷やステンシル彩色、エンボス加工など、贅を凝らしたものが多く、中でも「SEEKONIG」「UNIVERSUM」とある客船デザインが一対をな見開きページは見事。他にもタイポグラフィ中心のページ構成など、見るべきところの多いスクラップ帖となっています。
「スクラップブックを買う買わないは、作った人のセンスで決まる」。どこのどなたが作ったものかは知りませんが、この確信をまたしても強くしたスクラップブックです。

今週、実は「訪独伊日本新聞使節団資料」ダンボール1箱と云うかなりの大物を落札しているのですが、イタリアで買ってきたもうひとつの大物とともに、詳細お知らせまでには少々時間を要します。
茶道関係の写本・記録・手製茶室起こしなどダンボール1箱花椿18冊毛沢東政権下に出版されていた『紅旗』12冊、古い『独乙単語カード』などが明日には店に入ります。
しかも! イタリア出発前に買ったエスペラントの山も、大瀧詠一・ナイアガラのデザイナー中山泰旧蔵洋雑誌も、荷ほどきしはじめるとこれがなかなか面白く、ただいま整理をしながら売り方検討中。お楽しみに …!

 

17/10/07 乱調に始まるイタリア旅行より帰国。10月7日営業再開!

 ■当初の出発時間から遅れること7時間。羽田空港に都合9時間ほどの足止めをくらい、フィレンツェの1泊分の宿泊費と時間をフイにするという不測の事態で始まったイタリア旅行は、フィレンツェで多くの宗教画を眺めるうちに古本屋開業以来初の「仕事をしない旅」を宣言したことへの罰のようにも思えて少々敬虔な気持ちになったものの、初のイタリアでは古本屋の勝手も分からず蚤の市もほぼスルーして、本業的にはごくごく僅かな-けれどなかなか面白い!-収穫をもって無事の帰国と相成りました。
フィレンツェでは2日半・美術館と街歩きで約6万歩を稼ぎました。ミラノでは地下鉄の切符の買い方を覚えました。トリノでは仕事を抜きにして蚤の市を見て歩く楽しみを思い出しました。ピエモンテ州の毛織物工場では生地見本帳の成り立ちを教えていただきました。お招きいただいた友人のお供でうかがったビエッラの山中のお宅では、窓外に広がる桃源郷のような風景のなかで、人間らしい生活とはどういうことなのか、実に多くのことを教えられた気がします。
旅の間に見たものについては、Instagramの下記アドレスでご覧いただくことができます。
https://www.instagram.com/nichigetsudo/
2017年10月6日現在まだ未完ですが、来週半ばまでには投稿を終える予定です。ご興味をお持ちの方にはご高覧いただければ幸いです。

 



■当ページ、1点目の画像は思いがけずトリノで出会ったアール・デコ様式の映画館。トリノの街は、どこかパリの面影に通じるところがあります。
画像2点目は今回の旅行中に買った数少ない古書の内のそのまた一部をちょい見せ。手前の2点はムッソリーニの時代の子供むけの教材で、日本の戦時中の教材に東条英機と帝国軍が出てくるのと同じく、あちらの教材にはムッソリーニとイタリアの兵隊が登場します。表現はロシア絵本風だったりして。これらの中面と旅で得た大物資料はまた別の機会に。

■店の営業は本日10月7日(土)より再開し、来週は火・木・土曜日の週3日の営業に戻ります。今週金曜日には市場にも復帰、復帰早々落札した洋雑誌の山-大瀧詠一・ナイアガラのデザイナー中山泰旧蔵!-他カーゴ1台分が来週木曜日には店に配達される予定。再びのご来店をよろしくお願いいたします。









 

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