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17/09/09 画像はあれども ろくな解説もつけないままで … 更新は来週までお待ちください!

 ■瞬く間に一週間が過ぎ、今週も新着品のご案内 …… といきたいところなのですが、店主少々くたびれてきておりまして、新着品の更新は1回お休みを頂戴いたします。
とは云えさすがにそれだけでは寂しい。
なので新着品のなかから1点だけ。画像にとったのは、一見、千代紙のように見える『版画 大東亜図集』です。
「東京 三宅松影堂」が発行したもので、太平洋戦争による南方進出で日本が制圧した諸国とその他の植民地および日本の伝統的文様を、木版刷・未綴じの状態で頒布したものとみられます。
中華民国裂地紋様、安南裂地紋様、ビルマ裂地紋様、マライ建物装飾紋様、マライ編物容器紋様、ジャワ布地紋様など12葉。タトウやポートフォリオなどはなく、木版画のみの落札のため、詳細は不明ですが、1942~1943年頃のものではないかと当たりをつけました。

来週は、戦後日本のバレエ関係資料、伊東忠太の『阿修羅帖』全5牧揃、木版刷の和本『華包』や少々珍しい児童文学関係の雑誌など、明日店に到着する新着品について改めてご案内いたします。次回更新予定の土曜日未明まで、お時間をいただけますよう何卒よろしくお願いいたします!

■そしてそして、ご存知 ハチマクラさんの「夏の紙祭り」が今年もやってくる! の詳細は是非、当HP左手柱にある「その他のご案内」をご覧下さい!

 

 

17/09/02 都市という空間で -「生きた広告博覧会」と「都市美強調週間」と

■暑かったかと思えば急激に涼しくなったり、売れるゾと思ったものが売れずにこれは難しいかなと思ったものが売れたりしながら一週間は瞬く間に過ぎ、今週もまた新着品のご案内です。
函と表紙の平、そして本文巻頭に日本初・東洋初のロボット「学天則」の写真が象徴的に置かれているのは『生きた広告博美術写真展』と題された博覧会の図録兼啓蒙的かつ実用的な書物。
巻頭言によれば、1931年=昭和6年、東京日日新聞と大阪毎日新聞の主催により、上野松坂屋で開催され、「入場者数実に百二十万人」にのぼったと云う「生きた広告博覧会」を記録したもので、しかし、単に記録に留まらず、広告に関心を寄せる人たちの参考になるよう、参考篇を附したと云います。
「生きた広告」と題し、学天則をキャラクター的使っているのを見ると、生きた=機械仕掛けのオブジェやネオン- いまならゆるキャラ? -といったものかと思えばさにあらず。ウィンドーディスプレイや店頭装飾、ネオンサインやポスターなど、開かれた空間における生きた=効果的な広告の実例を、花王石鹸や明治製菓、味の素、大日本麦酒、カルピス、凸版印刷、小西六他、有名一流企業に立案・設営・展示させた本格的な博覧会だったようで、それぞれ自社内の広告セクションや、「ニッケ」の奥山儀八郎などの著名デザイナーによるものです。
書籍のノドや小口ぎりぎりの位置にとにかく小さな活字で組まれたテキスト、余白をたっぷりとった図版の配置など、この本に似た洋書があったと思うのだけれど、何だったかなと思いながらページを繰っていたところ、巻末の附録「ショーウィンドの知識」の出典クレジットに答えを発見しました。フレデリック・キースラーの著書『Contenporary art applied to the store』! 
このタイトルと著者名「Frederick Kiesler」を検索窓にコピペして画像検索するとすぐに出てきてお分かりいただけるかと思いますが、なかなかカッコいい本です。キースラーは建築家で、山口勝弘が『環境芸術家キースラー』を著したりしているのですが、日本では有名になり損ねている気がします。
表参道に移転してきた当時なので2002~2003年頃だったか、一度この『Contamporary~』を市場で仕入れたことがあり、記憶の限りではありますが、『生きた~』の巻末に添えられた「参考篇」のテキストと図版は、ほぼ『Contemporary~』からそのまま引用されているように思われます。
『Contenporary~』は落札した時は、内容もデザインも優れた本に大喜びしたと云うのに、売るのには苦労したし、以来15年、少なくとも私はまだ他に見たことがなかったので、日本では発行当時からしてほとんど関心を向けられていなかったのではないかと思っていたのですが、この博覧会が、おそらくはそのコンセプトから当書に依拠している印象が強く、やはり一定の影響をもたらしていたのではないかと考え直した次第です。こむずかしいお話しはさておき、諧調美しい「学天則」の写真だけでも貴重な1冊。
 

『生きた広告博美術写真展』もそうでしたが、こちらも初見でした。都市美協会が発行する機関誌『都市美』。落手したのは昭和11年10月発行の17号で、「都市美化強調週間号」と何やらものものしい副題のついた号です。
早速ぐぐってみました。都市美研究会は、関東大震災後の 1925(大正 14)年 10 月、「復興帝都における美観統制並に整斉ある都市構築の研究」を目的として設立された都市美研究会が翌年に改称、阪谷芳郎(第 4 代東京市長)を初代会長に会員は300名を数え、『都市美』の発行や講演会などを開催していたと云います。
研究会発足当時の「研究題目には丸ビル撤廃論、品川台場利用論等が見られる。」(https://www.timr.or.jp/library/docs/kuranonaka/lib016.pdf)とあり、創立当初はラジカルな側面を持っていたのではと期待させられるのですが、36年頃には「紀元2600年に備えよ」by内務大臣 だとか「帝都の都市美観を護れ」by警視総監とか、すっかり体制側の組み入れられた様子が伺えます。
図版は「都市美強調週間」の活動の一環として行われた「都市美並都市醜写真検証募集」の入選作品。審査員は板垣鷹穂と木村伊兵衛を含む6名。「美」だけでなく、あえて(?)「醜」の部分まで対象とした点がユニークです。当誌の掲載の他、銀座三越で展覧会が開催されたようで、本気ぶりがうかがえます。
「都市美強調週間」では、この他、街路や公園、河川の清掃や小学校での訓話などが行われたようで、詳細をという方はこの1冊を是非。と云って売れるようなら古本屋、労苦はぐっと軽くなるのですがさて。
 
■それにしても もう9月です。来週には次回、つまり来年1月開催の、「銀座 古書の市」についての松屋銀座さんとの打ち合わせが始まります。11月半ばにはやってくるはずの目録原稿入稿に向けて、小店もそろそろ掲載商品の目星を付けていくことになります。来年の準備です。この1年もまた、手をつけられない速さで過ぎていくことになりそうです。あ。昨年11月以降に入荷したもので、気になるものがあるという方はお早目にお声をおかけ下さい。
 

 

17/08/26 ラグジュアリーな壁紙とラグジュアリーな自動車と 

 ■遅ればせながら 残暑お見舞い申し上げます。
夏休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。
小店はと云えば、長めにとったはずだった夏季休暇もあっという間に終わり、一昨日より店に戻って営業を再開いたしました。例え営業していたところで「暑さで誰も来ない。文字通り日照り続き。」のはずだったやすみの間のあの想定外の涼しさから一転、営業再開と足並みをそろえたかのように暑さがぶり返すこのタイミングの悪さであります。これが小店の先行きを暗示していなければいいなと切に願う休み明けとなりました。あ。しかも来月には店の契約更新が ……… ああ゛ー!!! しごとします (-_-;)

市場にはひと足先に復帰して、本日より新着品も漸次店に入荷いたします。
本日ご案内の商品は金曜日の市場で落手したての品物より洋物2点を選びました。
1点目は壁紙の見本帖で、イギリスはロンドンにあった「WM. WOOLLAMS & CO.,」会社のもの。無刊行期ですが、ヴィクトリア様式の時代から広く愛好された植物モチーフをより大胆にデザインした図案の多さ - ここがこの見本帖最大の見所!- から見て、ヴィクトリア様式からアール・ヌーヴォーへと至る過渡期、20世紀初頭~1910年代頃のものではないかと思います。
WM. WOOLLAMS社という名前は初の御目文字、がしかしご覧の通り、大邸宅仕様としか思えない大柄もの多く (どれだけの広さの壁があれば、この柄の大きさが生かせるのか兎小屋の住民には全くイメージできない)で、これはそのへんの壁紙屋とは格が違うのではないかと思ってケンサクしてみたところ、いやはや出てくる出てくる。
かいつまんで云うと …… インテリアが一種のステータス・アイテムになったヴィクトリア朝時代、当時の富裕層に向けたラグジュアリーな壁紙メーカーとして名前が知られるようになり、1851年のロンドン万博、1855年のパリ万博に出展した頃からさらに市場を拡大。一方、当時、植物図案の緑色の部分の顔料にヒ素が使用されていたことから、ヒ素による病死者が相次いでいたなか、いち早く非ヒ素系の壁紙を製品化(どうやらあのウィリアム・モリスに先駆けて、らしい)、やがて住宅所有者の多くに熱狂的に消費されるようになった…… と云う高名な会社であり、産業史や、装飾美術・デザイン史的見地からも、すでにきちんと位置付けられているもよう。ああ。これまた全然知らなかった。
見本帖の表紙に刷り入れられた商品の文句の冒頭には、「NON-ARSENICAL」つまりヒ素を使用していないことが謳われています。ちなみに、これに続いて、「清潔で洗えます!」という売り文句も。

 いまから20~30年前の頃から、日本でも「シックハウス症候群」が人口に膾炙されるようになりましたが、イギリスではすでに100年前に同じようなことが起きていたわけで、世界に先駆け産業革命を体験し、いち早く大量生産・大量消費に足を踏み込んだイギリスと、第二次世界大戦後に高度経済成長に入っていくことになった日本との間には、つい最近まで実はこれくらいの「時差」があったのかも知れません。
そんな小理屈 (-_-;) はさておき、会社設立当初は「block print」、おそらくは徹底的な手仕事でつくられていた壁紙は、時代が進むとともに石版や印刷に変わっていったようで、今回入手した見本帖では、石版とオフセッ印刷とがほぼ5対5の割合。その代わり、当時先端だったはずのエナメルコーティングや機械による深い型押しなど、新たな技法が使われている点など見所多く、何よりこの大胆なデザインと色彩感覚は一見の価値あり。これだけはキッパリ断言しておきたいと思います。

■「WM. WOOLLAMS & CO.,」で検索すると出て来るサイトで必ず強調されているのが「Luxury」という言葉でした。今週の2点目はLuxuryつながりで、いまはなきアメリカの高級自動車「パッカード」のパンフレット。無刊期ですが、調べてみたところ、1930年の頃のものであるらしい。です。
ビロードを模した高級感ある厚紙にエンブレムを入れたポートフォリオには、表紙含め全8Pの冊子と自動車本体をタイプ別のカラーリーフにした10枚 (それぞれ表に車体図、裏にインテリア関係図版と解説)が収められています。
精度の高いカラー印刷にさらに金色をふんだんに使ったまさにラグジュアリーな一冊であり、当時のモノクロ写真だけでは分からない、色彩をまとったより立体的な姿をいまに伝える資料として見ることもできそうです。
とはいえ、こちらもまた、通じる気がしない小理屈なんぞ取り除き、先ずはご覧いただければ幸いです。

今週は他にも中原美紗緒や徳富猪一郎の姿が認められる戦前~終戦直後の写真アルバム11冊、凸版印刷活字見本帖、戦前に開催された警察関係の博覧会の記録、旧植民地の風景を描いたスケッチブック(←こっちは達者な絵) と一部ヘタ絵を含む肉筆画のひとまとまり、戦前の新聞広告秀作集などが明日店に到着の予定です。

 

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