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15/10/10 左翼系書籍と雑誌 アレクセイ・ガン『構成主義芸術論』他『世界プロレタリア文藝選集』と『文藝市場』

■何しろ古本屋ときたら肉体労働。気持ちのよい季節だというのに、ちョット作業をすると汗をかきます。そのままPCに向かうと、今度は途端に体が冷えます。
今週はそんなことの繰り返しだったせいか、さきほどからクシャミ鼻水軽い頭痛と、いわゆるひとつの風邪の諸症状というやつが現われ始めております。来週には目録原稿作成に着手しないといけないというのに ちぃとまずいゾ。というわけで、本日の更新は手短に。幸い、ネタも今週は小モノ。
あ。店を休むほどのことではありませんので、10/10(土)、そして来週火・木・土曜日は店やってます。
 

この装丁、小店店主の好みのほぼど真ん中という『世界プロレタリア文藝選集』が久しぶりに入荷しました。いずれも昭和5(1930)年に金星堂から出版された初版本です。戦前日本で翻訳が相次いだアプトン・シンクレアの著作で木村生死が翻訳した『拝金主義』、革命後のロシアで中堅作家とされたフセェウォロド・イワノフの作品を黒田辰男が訳した『装甲列車 No.1469』、そして、ロシア構成主義に理論的基盤をもたらしたとされるアレクセイ・ガン(当書表記は アリェクセイ・ガン)の主著の黒田による訳出『構成主義芸術論』の3冊。
『構成主義芸術論』は太い罫線の利用や縦横斜めと自在な組版の導入、文字サイズも統一していないなど、元著で採られていたであろう前衛的表現が踏襲されています。
また、『装甲列車』は元著からの流用と思しき挿画が数点挿入されているのも魅力。
版元である金星堂は、築地小劇場のなかに売店をもっていたことでも知られる出版社で、世界の前衛的戯曲作品をシリーズで日本に紹介した『先駆芸術叢書』では、装丁に日本における未来派の提唱で知られた神原泰を起用。洋書を思わせる瀟洒な装丁を施した稲垣足穂の『星を売る店』 『第三半球物語』も同じく金星堂からの出版でした。金星堂、なかなかやります。
 





■同じく左翼系ですが、こちらは雑誌。村山知義、金子洋文などが編集に携わった雑誌『文藝市場』のうち、大正14(1925)年の12月号、大正15(1926)年9月号、昭和2(1927)年3月号の3冊が入荷しました。
左翼系文芸誌として出発したものの、経営難から軟派に転じ最終的にはエログロナンセンスの雑誌にすっかり衣替えしていた雑誌ですが、入荷した3冊はまだ文芸誌としての傾向の強い時代。とくに画像左、表紙のデザインに写真を組み込んだ第1巻第2号は、「文藝市場宣言」として「ダダ、表現主義、新感覚派、コント(中略)いずれも結構である」と云う言葉通り、画像中見開きページに見るように広告に至るまでダダ。お見事。
この他、『ナップ』『労働雑誌』各1冊、『何を読むべきか』4冊が入荷しました。
いずれも小粒な今週の新着品です。
来週には目録原稿に着手かと思うと、手のかかるものと嵩のあるものを買う気にならないというのが当面のモンダイになりそうです…こちらもちぃと もとい こちらは大いに モンダイだ。
 

記者会見、というものが、某国では事前に調整するのが常態となっていたというのに驚いた今週、さらにこんなお話しも。http://lite-ra.com/2015/10/post-1561.html
「大本営発表」と云うもの、結局は本領を取り違えたマスコミがつくりだしてたんですね。はーい (^O^)/

 

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