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15/11/07 タイトルが読めなかった図案集と詳細不明の照明器具デザイン原画と

■依然、目録の原稿書きは続いておりますが、商品撮影を無事終えたところで今週の新着品です。依然、目録の原稿書きが続いておりますので(← 我ながら くどい)今日も駆け足で。のつもり。

この業界、頼もしきは諸先輩であります。画像でご覧いただいております題箋に記されたこのタイトル、私に判読できたのはデザインの雛形だということを意味する「志んせん●●●●おんひながた」の部分だけ。1行分かち書きされている副題の●部分がさっぱり分かりません。この道ももう20年近くになりますが、まだまだ日本語さえまともに読めないというのですから実にお恥ずかしい限りです。
やや。困ったぞ。と思う私の視界のすみの方に、和本を扱われる大先輩の姿が見えます。「立ってるものは親でも使え」と昔の人は云いました。立ってるものならお客さまでもお使い立てする日月堂です。早速つかまえて教えていただいたのが『新撰御所解 御ひながた』というタイトルでした。さすがは、です。私もこうした先輩でありたいと願っております。願ってはいるのですが、こればかりはそーとーむつかしそうであります。
で、その場では「ありがとうございます! 本当に助かりました!!!」と深々お辞儀して心から謝意を表して帰ってきたのですが、実は、頭の中にもうひとつの疑問を抱えたまま。そうです。ごしょどき。御所どきとは。どーゆーのー?
このページでご紹介するまでには、実は毎度毎度、このようなハードルを越えてのことなのですがそれはさておき。
便利なことに大抵のことは ぐーぐるセンセイが答えてくれる昨今、「御所ど」まで入力すると即座に「御所解」であることを教えてくれました。「き」までは必要ないという。ううむ。21世紀おそるべし。で、ここからはwikiせんせいからの引き写し-「御所解(ごしょどき)は、和服の文様の一種。四季の草花を細かく密に表し、その間に御所車や扇、柴垣など『源氏物語』等の王朝文学や能に頻出する事物を配するのが特徴」で、歴史的に見ると「江戸時代後期に武家婦人の衣服制度が定まったときに、特に高位の御殿女中の着物の文様として好まれた物」で、「その柄行きから着物がどの物語を主題としているのを当てるのも教養の内だった」そうですが、「幕末になると完全に形式化してしまった」と云うことだそうです。維新維新と胸張る向こうで教養主義が衰退したとでも云いたげなこの指摘、必ずしも過去のことだけではないような気もします。

ああ、またしても前置きが長い。すみません。肝心の『新撰御所解 御ひながた』です。
これまた小店好みの木版刷りのキモノの図案集でありまして、昭和9年、京都の内田美術書肆が発行。画作者は中安栞堂とあります。これまでの経験から、内田美術の図案集は売りにくいので、どうだろうと半分様子見で手にしたのですが、案に相違してこれが悪くありません。
何しろもう昭和9年の着想ということもあってか、wikiせんせいのご指摘の通り図案に汲まれるべき物語的要素はほぼ皆無。ですが、抽象化に近い大胆な意匠や構図、古典柄に近い図案の場合でもその色づかいなど、“品よくまとめられたモダンデザイン”という言葉がよく似合います。
入荷したのはシリーズのうちの第3巻と第4巻の2冊。何巻まで刊行されたのか判然としませんが、まだ見たことのない1・2巻、そしてあるかも知れない続巻もいつか目に、いや、古本屋として手に入れ売ってみたい図案集のひとつとなりました。

■照明デザインの原画40葉を、市場で落札したのがいまからもう4年半程前のこと。
詳しくはこちらをクリック → http://www.nichigetu-do.com/navi/info/detail.php?id=567
その時の原画プレートには四谷・栄光社設計部、虎ノ門・良明社といった記載があったのに、今回入荷した『レオン邸 照明器具図案』には、どこで作成されたものか手掛りがありません。でも、どこから見ても、どう見ても、何度見ても、以前の四谷のと虎ノ門のと描いた人が同一としか思えない …… と云うだけのことでついつい手が出てしまいました。レオン邸というのも当然ぐーぐるセンセイに尋ねてみるもこちらもさっぱり。で、何も分からないものだからもう何も書くことがない。ないわけですが、しかし!この原画22葉・35点分の照明器具のデザインはどれも繊細極まりなく、戦前の洋館がいかに贅を凝らしたものだったかを雄弁に語ってくれること、請け合います。

安保法案ほどではありませんが、今年波紋をひろげた問題のひとつにオリンピックのエンブレムのデザインをめぐる騒動がありました。最近になって、審査委員のひとりで、修正後のデザインについて一人だけ異を唱えた平野敬子氏が、自身の公式ブログで公募から審査、会見までの経緯を公表されています。当事者としては不愉快極まりないに違いないことの次第を明かされているわけですが、それが、「9条」と書かれたTシャツを着ていただけで、或いは「平和」の文字が刺繍された手提げ袋をもっていただけで、警察官から呼び止められるような不思議なことの起こる表皮の向こう側の様相、そこに蠢いているものの正体にも通じているようで、一読をお勧めいたします。http://hiranokeiko.tokyo/ 
それにしても、広尾のF.O.B COOPの閉店は結構こたえました。店と云うものが曲がり角にきているのを手厳しく教えられたようで。私などにはずしりと腹にこたえる言葉が続くオーナー・益永みつ枝さんインタビューは次のアドレスで是非  http://roppongi.keizai.biz/column/26/

 

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