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15/12/04 月曜さぼって本日更新。懲りずに入荷 フランスの生地見本帖5冊 ! 1900年パリ万博の大判書籍!

■週明け更新!と云ったお約束を反故にして、定例の更新日を迎えてしまいました。その代り、月曜日はジェオグラフィカさんに納品に行ってまいりました。そんなお話は画面左上の「営業日案内」をご覧ください。

というわけで、今度こそ新着品のご紹介です。
ご存知、「フランスの生地見本帖」が久しぶりに入荷しました。こちら、「大きい・重たい・買ってどうする」と云う売れない条件を三拍子備えておりまして、実際、売れるのは極まれなこと ―― とこれまで何度も学習してきたはずなのに、市場で目にするとついついムキになって落札してしまう商品の筆頭であります。今回はそれが5冊も!一挙入荷です。何しろ5冊一括での入札だったので、まとめて落札するしかなかったというわけです。
あ~あ。また買っちゃった。商人としての私が、これはいつまで抱えることになるのかねえといささか鬱々たる気分に見舞われる一方で、しかしあくまで個人としての私にとって、見ていてこれほど楽しいものは他にそうありません。だからムキにもなるわけで困ったシトですよ全く。
現在手元に置いて眺めているのは5冊中で最も薄くて軽い1925年版。縞模様の生地をまとめたもので、少し格子柄も混じります。いまからちょうど90年前 のものですが、生地のデザイン・色彩感覚などに古臭いところは一点もなく、むしろいまよりずっと多様で目を見張るばかり。ああ、こんな生地があったなら シャツのひとつも仕立ててみたいと思うもの、一つや二つではございません (と云ってもシャツのオーダーメードだなんて素寒貧の古本屋にとっては夢のまた夢) 。
最も薄いといっても背の厚みは4.5cmあり、貼り込まれている布現物 (ほとんどが8.4×11.5cm) は497点にのぼりますので、厚みから見て、他の見本帖には1冊に軽く700~800点の生地現物が貼り付けられているものと思われます。
5冊にはそれぞれ1910年代半ばから1920年代の半ばまでの年代が記載されており、100年近い時間を経てきたものと見られますが、生地は多少黄ばん でいるものが混じる以外、時間を感じさせない良好な状態。見本帖からはがして洗って乾かしてパッチワークにしたりテディーベアつくったり、クリスマスに向 けて1冊いかがでしょう?-ああ。我ながらお粗末すぎる「売り言葉」。かくしてまた抱えることになる日月堂であった。

■こちらもフランスの産物、パリ万博を記録した書籍です。1925年のいわゆる「アールデコ博」、「近代生活における芸術と技術」をテーマに、モダニスムを色濃く反映しつつ第二次世界大戦に向かう社会を表象した1937年のパリ万博と比べ、小店としてはあまり見てこなかった1900年のパリ万博もの。 wikiによると、グラン・パレとプティ・パレ、そしてアレクサンドル3世橋が新たに建てられ、当時世界最大となる高さ100メートルの観覧車「グラン ド・ルー・ド・パリ」を一般公開、動く歩道が登場し、エッフェル塔にエスカレーターが設置されたのもこの1900年の万博でのこと。また、アール・ヌー ヴォー様式を前面に押し出す契機となったという点でも、本来なら見落としていてはいけない博覧会です。
入荷した『L’EXPOSITION DE PARIS 1900』はおそらくは同名タイトルで発行された3巻本のうちの1巻目。ほぼ1mの長さに紙をつなぎ印刷された会場全体のパノラマ図版や本文随所に挿入さ れる建設中の現場写真、パヴィリオンの細密な完成予定図、ゾーニング、象徴的な景観計画に関連する図版、建設現場の労働者の過酷な仕事を描き出した挿画など、構成要素から見ると1巻目はなかなか魅力的です。
日本についてはわずかに芸妓の写真がある程度で、中国や韓国と比べてその扱いが小さいのは、フランスの領土的野心の現れか、そのあたりについては自分の勉 強不足を痛感します (ちなみに。1866年に仏韓間では丙寅洋擾が起こり、中国では1849年上海にフランス租界が設けられ1900年には小拡張がなされています)。
絢爛とも表現できそうな表紙はリトグラフですが、本文内に挿入される図版はほとんどがスケッチに基づくモノクロの絵画。記録としての弱さは否定できませんが、記録者がどこにより注目していたかという点についてはむしろ見分けやすいと云えるかも知れません。モンダイは……縦37cm・横28cmと大きくて重 いということです。大きくて。重い。こちらは2条件を揃えていると。はは、はははははははは。

この他、明日には ほるぷ出版の復刻洋書絵本「ベルリンコレクション」、戦前渡航者の記録スクラップブック3冊などが入荷。「フランスの生地見本帖」明日には5冊がドドンとキャビネット上に登場の予定です。

■腹ふくるる思いのすることがあまりに多い昨今。今週はどうしてこうなるのか・どうしてこんなことがゆるされているのか、私のオツムではもう全く理解できなかった話題ふたつ。一番の不思議はそれでも上がったと云う支持率。
http://lite-ra.com/2015/12/post-1746.html
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/170793/1



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