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16/02/05 明治の雑誌カヴァーコレクションは世界にひけをとらないアール・ヌーヴォー調だった

 ■今週から本格的に市場に復帰。したものの。一向に意気があがらず従って戦果もあがらず。このままスランプか?の悪い予感もありますが、とにかく今週の新着品です。不甲斐ないこと甚だしい1点きりのご紹介となります。
画像中に記した「明治期雑誌表紙コレクション」と云うのはあくまで小店がつけた仮題。実際には表紙にも背にも何も書かれていない上製仕立ての大判・横長のアルバム様の3冊に、雑誌の表紙と一部、絵葉書の袋とを糊で貼り付けたものです。
アルバム3冊に集められた表紙は380点超(絵葉書の袋はこの内40点)。大正初期のもの数十点を含みますが、ほとんどは明治20年代後半から40年代後半にかけての発行で明治30年代のものが大多数となっています。
最多は紅葉、鏡花、鴎外はじめ明治の文豪が筆を競った『新小説』の112点で、『新小説』だけで1冊にまとめられています。他に、日本の文学史を学ぶ際には必ず出てくる与謝野鉄幹主宰の『明星』7点、短歌史上にその名を残す『馬酔木』は1点ながら創刊号(!)、臨時増刊含め『文藝倶楽部』が48点、『新声』が14点。以下『』は省略しますが、文芸誌としてはこの他、小天地、ハガキ文学、文庫、活文壇といったところから、新文(言文一致会発行!)なんて云うものまで。無名通信一周年記念秘密号だとか、五月鯉、車百合、アラレ、みのむし……等々、初見・内容不明の雑誌多数。
これら文芸系の一群と、もうひとつの柱となっているのが美術・デザイン系の雑誌群で、神坂雪佳が表紙を手掛けているものも多い、たかしまや飯田呉服店の『新衣裳』38点や、全点、上野清江による表紙の『京雄女誌』17点、白木屋の『流行』15点の他、そのものずばりの専門誌『図按』、『美術之日本』、『衣裳界』等がそれぞれ6点以上
全体を眺めれば、明治の日本のグラフィック・デザイナーが世界的なデザインの潮流=アール・ヌーヴォーを十分踏まえていたことがよく分かります。
要は名前も仕事も知らない先人が、雑誌発行からそう間のない時期に何らかの意図で集めた雑誌の表紙のコレクションということになるわけですが、それからほぼ1世紀経ったいま、これだけの雑誌を買い集めようとしたらどれだけのお金と時間がかかることか。だんしゃりダンシャリと喧しい昨今ですが、「捨てぬが勝ち」ということだってあるのだと、誰か大声で云ってくれないものでしょうかねえ。
それにしてもしかし来週は腹を据えて市場に臨みたいと思います(-"-) 復調まで、いましばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます<(_ _)>

 

 

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