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18/08/05 昭和16年頃の広東を活写した写真アルバムと明治の木版刷図案集『新美術海』 ともに久々の入荷です

■暑い !  どうしてこんなに暑いんだ !! と云ったところで涼しくなるわけもなく、兎に角さっさと用件へとまいりましょう。
あ ! その前にひとつ。夏季休業については、このページ左上「営業日案内」の画像をクリックするか、下記のアドレスしでご確認下さい。
http://www.nichigetu-do.com/navi/info/detail.php?id=1271
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
なお、来週は火・木・土曜日それぞれ12時より20時で営業いたします。

今週の新着品1点目は久々に個人旧蔵の写真アルバムです。戦中の広東市の風景と風俗を集めていることから、仮に『広東風俗写真帖』としておきます。
金属製の小さなゼロ戦をはめ込んだ表紙をめくると、遊び紙に「昭和16(1941)年4月15日」の日付で、広東市の地勢と歴史・来歴が万年筆で書かれています。
写真は11.4×15cmの紙焼が31点。やはり万年筆で31点全点にタイトルと、ものによっては詳しい解説が書き込まれており、大きく伸ばされた写真のサイズ、年代、場所、モチーフが全点はっきりしている点等、優れた記録写真としての要件を満たしているものと思います。
12点の裏面に「広東迅報社・南支日報社」の社印が押してあることから、当該メディアあるいはその周辺の関係者の旧蔵品と見られますが - 今日までのところ画像検索で簡単に確認した範囲ではあるものの- 絵葉書になっているものなどなく、ほとんどが現段階で流布しているのとは異なる画像と見られます。
撮影されているのは広東市中心部とその周囲にある特徴的な事象。孫文を記念した「中山紀念堂」に始まり、古い城門が残る「中央市場通り」、足元に人力車が行き交う「愛群ホテル」、南支日報屋上からの「広東市眺望」、いまではその人口が激減したと云われる「珠江上の蛋民(たんみん=水上生活者)」と「蛋民船」や「屋根舟」、そして「広東名物女床屋」や子どもの姿をとらえた「路上のピンポン」、“日本の奥さんが見て”いるところを撮った「古着屋」、“誰かが時価三千円もする金の仏像を掘出した”と云う「ドロ市風景」からモダンな洋装姿の「広東の女学生」など。

盧溝橋事件を日中戦争開始と位置付ければ日中開戦から4年後、加えて太平洋戦争まであと半年ちょっとという 昭和16(1941)年4月当時の広東は、どこにも戦争色を感じさせないどこか牧歌的とでも云うべき佇まいを見せています。果たしてこれが実相だったのか、或いは見たくないものには目をつむった結果なのか、興味は尽きません。

古谷紅麟を著書として、京都の芸艸堂が発行した明治の木版刷図案集『新美術海』の二十四号(明治37=1904年8月1日発行)と三十号(明治38=1905年1月1日発行)の2冊が入荷しました。
神坂雪佳に学び、雪佳の後継者・琳派図案の継承者と見られながら、明治43(1910)年、35才で早世した紅麟の作品は雪佳よりもアヴァンギャルドで琳派をよりモダンにした作風。この不思議な魅力をもつ作品を毎月各号20図つくり出していたというのは驚くべき才能だと思います。
『新美術海』についてはオフセット印刷ながらいまも図案集が発行されている他、商用利用を除けば無料ダウンロードできるサイトもあるようですが、木版ならではの表情豊かな風合など、やはりオリジナルに勝るものはない ! というのが単に古本屋の売り文句に過ぎないのかどうかについては、是非現物でご確認下さい。

今週、火・木・土曜日の各日12時~20時で営業すると、12日(日)より20日(月)まで夏季休暇に入ります。尋常ならざる暑さに見舞われている今夏、ただもうみなさまのご自愛を願ってやみません。





 

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