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18/08/11 万博や冒険旅行の誘いをヨコに夏休み!

残暑お見舞い申し上げます。
 
晴れて今日からお休みと云う方も多いのではないかと思います。
猛暑に加えて天候不順の続く今夏ですが、北へ南へ東へ西へと思い思いにお出掛けになる方にも、普段とそう変わらず過ごす方にも、より佳き休暇を、安全にお過ごいただけますように 祈念申し上げます。
小店も12日(日)より20日(月)までお休みをいただきます。と云ったところでどこへ出かけるでもなく、残念ながら所用と野暮用とに追われる予定。せめてPCの前に座る時間を限りなくゼロに減らしたい - タブレットは別にして - と思うこの夏であります。
 
残暑お見舞いに添えた今週の画像1点目は木版刷の図案集『浴衣合』昭和2(1927)年に稀書複製会より500部限定で発行された非売品です。16×11cmの小さな和綴じ本で、色は茶色の濃淡のみ、それに白の空刷りを組み合わせ、なおかつ全て同じ構図で配置した禁欲的な図版36図を所収。画像ではお伝えするのが難しい白の空刷り部分はとくに見事です。余計なことを一切しなかった結果なのか、とても「ゆかた」のものとは思えない品良く格調高い図案集となっています。 

■ここのところ、この度の東京オリンピックの猛暑対策に2時間時計を早めるサマータイムの導入が検討されているとの報道を目にするようになりました。「へ?」と思いました。猛暑はむしろ日本選手に有利だとか云っていた方たちはどこへ行ってしまったんでしょうか(苦笑)
昭和15年=1940年、東京を中心に日本でオリンピックと万博が開催される予定だったというのは有名な話ですが、おそらく2018年現在私がとっさに感じた「へ?」と同じように「へ?」と思い浮かべた人たちが世界中にいて、開催決定の経緯とその後の日本のふるまいを知る毎に「へ?」の字面を上書きしていった結果、開催決定の2年後には「へ?」が太く大きく膨らんでしまいフツーの頭では支えられなくなっていったのが、幻に終わった1940年のオリンピックと万博だったのではないのか …… なんて。夜中に思いつくことはロクなもんじゃないと最近、指摘されたばかりなのですが、いやはやそれ、当たっているような気がしてきました。
それはさておき。これは確かに云えることですが、いまと同じように、オリンピック(と万博)を機として、外国から日本へ多くの人に来てもらおうと宣伝に相努めることになるわけですが、1940年版のそのひとつが昭和12(1937)年に鉄道省国際観光協会が発行した『JAPAN PICTORIAL』。2000年代には何度も扱った商品なので、古くからのお客様にはすでにお馴染みかと思いますが、対外宣伝誌として本文、写真キャプション等全て英仏独三か国語表記。表紙のタイトルも図版でご覧の通り三か国語で記されています。
サイズは25.5×22cmとやや小ぶりながら72P全アート紙グラビア印刷。
何しろオリンピック、万博、鉄道省が後ろについているだけあって、デザインは原弘、写真には木村伊兵衛、渡辺義雄、小石清、光墨弘、堀野正雄など錚々たるメンバーが揃いました。その後の戦中対外宣伝における総力戦の、このあたりがスタートラインだったのかも知れないなと、ふとそんなことを思いました。
 
珍しさ、という点で注目したいのは、むしろ一緒に出てきたペラものの方で、こちらは小店初入荷。『GRAND INTERNATIONAL EXPOSITION OF JAPAN』24×32.5cmの両面印刷で英語とフランス語で片面ずつ使っています。日本万博の意義と万博全体のアウトラインを紹介したもので、東京から横浜にかけての全体構想、開催期間、27館に及ぶホールとパヴィリオンの仮名称(=内容)と面積、会期中のイヴェントなどを記載。当時有楽町にあった万博事務局の発行で、刊期の記載はありませんが、会場について「東京と横浜をカヴァーする約3,300,000平方メートル」(後に1,600,000平方メートルに変更→ 参考 https://yomimono.seikyusha.co.jp/maboroshi/maboroshi02.html)としていることから、早い時期に用意されていたものと見られます。 

幻の万博に関する資料としては事務局が発行していた『万博』が有名ですが、常に用意していたはずの対外出展誘致の専用印刷物が出て来ることは、不思議なことにむしろ稀だと思われます。
 
戦前の双六10点が入荷しました。その内の1点。雑誌『日本少年』の大正2(1913)年1月1日発行新年号の附録で「冒険小説双六」「日本少年編輯局考案」の「筋書」をもとに川端龍子が絵を担当しています。主人公である清クンと猛クンが絶壁を乗り越え、丸木橋を渡り、狼やに狙われたり大鷲に攫われたり、山賊に出会ったり、暴風雨に見舞われながら救助され、飛行機から爆弾を投げて山賊を退治してあがり。なかなかに雑駁な筋書ですが、コマ割りすることなく一幅の絵に仕立ててしまえる龍子の画力はさすがです。
私も昔の人の顰に倣って、せめて双六で冒険旅行あるいは世界一周にでも…?
 
今週はこの他、戦意高揚スローガン入りのものばかり集めた映画館週報の一束大正~昭和初期のキモノ生地の見本帖6冊織物・染物関係の古いタグ・商標が靴箱1箱分ほど、菓子屋・パン屋中心に古い包装紙・上掛紙等1束が明日店に入ってくる他、左上の粋でご紹介しております洒落のめしていて贅沢三昧な和の雑貨類を店頭に出せればと思っています。
 
■ひさしぶりに、今週の斜め読みから。ひとつはオリンピック、もうひとつは先の戦争について。私はこちら側に居ます。8月とはもの思いにふける日の増える月であります。
8月5日の西日本新聞より。同意!
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/438770/
8月8日のBusiness Insider Japanより。御意!
https://www.businessinsider.jp/post-172709
休み明け、当ページには8月25日に戻ってまいります!
 
 


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