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18/12/15 キモノのカミモノ オフネのアンナイ

■年内更新もあと数回。その間には明年1月16日からスタートする「第35回 銀座 古書の市」(松屋銀座 2019年1月16日~21日)の目録も出来て、年内にはお客様それぞれのもとへと届けられます。ぼちぼちお問合せ下さるお客様もいらして本当に有難い限りですが、目録到着まで、いま少しお待ち下さいますようお願い申し上げます。
小店もアルバイトの方たちの力をお借りしながら、会場用の商品の準備が進んでいるのは喜ばしいことながら、ここのところの市場で 買いたい・買うぞと思うようなものを見つけられずにいるのは、懐具合に加えて おつむのスイッチが早くも「買う」から「売る」へと切り替わっていることによるものかとも思われますが、そうしてみると、市場より店内でほったらかしにしていた落札品のヤマのなかから、何故これまでほったらかしにしていたのか、ここの店の責任者の胸倉でも掴んで問い詰めておこうかしらと思う商品の発掘が続いておりまして、今週の更新は はっきり!きっぱり!!新着品ならぬ旧着品から選びます。

1点目は呉服店の商標類の一括。縫い付けてあった痕跡(針穴と糸付きなど)が残っているものが多いわりに全体に状態がとてもよく、これまで一体誰が (呉服屋さん? 印刷屋さん? )、どのようにして保存してきたのか先ずもって不思議な一群です。
日常からよそ行きまでキモノで過ごしていた時代、キモノはモードを流行を競う最尖端の商品でした。従って、ネーミング、商標のデザインは時代を色濃く反映することになり非常に面白い反面、流行の変化とともに真っ先に捨てられてしまうものでもあったはず。
発掘した小さな箱ひとつに収まる商標類は、明らかにアール・デコを基調とする1920年代のものであり、時代色のよく出たものだけに、これだけまとまって残っていること自体、稀なことと思われます。
曰く、「登録商標トーキー」「バレー着尺」「最新柄レビュー友仙」といったネーミングがあるかと思えば、杉浦非水の三越のポスターをお借りしたかのような「蝶美人友仙」のタグ、まるでグリコのキャラメルのような「オリンピック」の意匠など、自在と云うのかあまりに自由とでも云うのか、この融通無碍(?)な発想は戦前ならでは。
もっと早く発掘していれば、目録に掲載していても不思議はない、粒ぞろいの紙モノです。

■これまた何故かバックヤードに積んだきりになっていた戦前の豪華客船旅行関係のパンフレット類。以下に紹介する3点は全て英語表記となっています。
最も立派なのが小店初見、イタリアン・ライン社の大洋航路船「SS REX(レックス)」のもので、1932年の発行。wikiによれば、地中海を航行するこの船は「海上の避寒地」と呼ばれ、この年の9月、ジェノヴァを出港する際には「ベニート・ムッソリーニ参加セレモニーが催され、乗客のほとんどは国際的な有名人ばかりであった」と云います。
当時のファッション紙を思わせるイラストはEdina Altaraとその夫Vittorio Accorneroの共作によるもの。
「レックス」についてはwikiを、当パンフレットについては下記のアドレスが多くの図版入りで詳しく解説していますのでご参照下さい。
http://www.italianways.com/edina-altara-first-class-luxury-on-the-rex/
実はイラスト以外、タイポグラフィだけで構成されたページが素晴らしいのですが、ご興味をお持ちの向きはこちらも店頭でご覧いただければ幸いです。
 
「レックス」と同じ画像に収めたその他の2点は、北ドイツ・ロイド・ラインが1935年に発行した1936年世界一周航海のパンフレット。中面はモノクロの写真図版と寄港地の寄港予定日と観光案内で構成されています。東洋趣味の表紙は、同時代の雑誌『ASIA』を思わせます。
横に長い冊子は日本郵船の姉妹船、浅間丸と龍田丸のフロアガイド。AデッキとDデッキ! Eデッキ!! の階級差に愕然とすること請け合い。
 
■新着品には、昭和40年代の目黒、世田谷、大田区区境にある駅・幹線道路周辺の風景を写真に収めたアルバム5冊(目黒、中目黒、渋谷、二子玉川、自由ヶ丘、緑が丘、奥沢、五本木、柿の木坂、蛇崩川等)なども。いずれこのページでご紹介できればと思います。
 
そろそろ2018年を振り返る時期となりました。今年色々な意味でとても考えさせられた記事を二つ、備忘を兼ねてあげておきます。
https://globe.asahi.com/article/11530020
http://www.labornetjp.org/news/2018/1207pari?fbclid=IwAR2-K6SSt2JlpFL73R14i1s2U0w4I6AVrxJ9HQQMU-9SJA-IN11oWkcg1q4
さて、来年は?  あ。年内まだ更新は続きます!

 

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