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18/12/22 20世紀初めの日本を覗いてみる 双眼写真&ステレオスコープ/短い楽譜も添えられた武満徹署名本

■いやはや何と! 2018年も残すところ10日を切りました。「平成最後」と称されるお正月も目前です。
来週も市場は続きますが、新着品のご案内は年内これで打ち止めとさせていただくかと思います。
なので。先ずは年末年始の営業のご案内を。
年内の営業は来週25日(火)・27日(木)のそれぞれ12時~20時、29日(土)の12時~17時までとさせていただきます。
年明けはイレギュラーながら7日(月)に開店、8日(火)、10日(木)、12日(土)の各日12時より20時で営業いたします。
1月13日からの週は月曜日から松屋銀座で開催される「第35回 銀座 古書の市」の運送・陳列・会期スタートというスケジュールで、実質年明けすぐに即売会体制となります。
ご来店の方にはご不便をおかけいたしますが、店、即売会ともども何卒よろしくお願い申し上げます。

と。ここでようやく今週の新着品のご案内。
1点目は 双眼写真とかステレオ写真、立体写真などと呼ばれる左右に同じ画像がプリントされた写真種51点と、この写真を装填して覗くと、写真が浮き出て立体的に見える非常にシンプル、がしかしとてもよく出来た専用の覗き眼鏡・ステレオスコープとのセットです。
この簡単な仕掛けで写真が何故立体的に見えるのかと云うと「わずかに異なるアングルから撮影した2枚の写真を左右の目で別々に見ることによって、立体感と奥行きを伴ったイリュージョンが得られる」(「アートワード」より)ということだそうで、詳しくは引用元の「アートワード」など専門のサイトに掲載されている解説をご参照いただくのが良さそうです。
ステレオスコープは、木製のものが多いようですが、今回入荷したものは一見双眼鏡を思わせる鉄製
このセット、双眼写真は3社の製品からなるものですが、驚いたのはどの社のものも、立体感が素晴らしいこと、そしてモチーフが絶妙で面白いこと。覗いて見ると、とくに桐生の最新かつ大規模な絹織物工場やロシア戦争の戦地に送るビスケットの包装をしている女工さんの仕事風景などは、写真自体が遠近法を強調した撮り方をしているせいか、どこまでも果てしなく続くように見えて眩暈を覚えるほど。まるで精巧につくられたジオラマを見ているような、不思議な感覚に襲われます。 

写真には他に、浅草観音、京都の目抜き通り、箱根で荷物を担ぐ人、履物屋、大阪の旅館、横浜の歌舞伎劇場、神戸の海岸通り、伊香保の温泉街、金閣寺、大根を運ぶ農夫、猿回しの少女と猿、アイヌの人と家屋、芸者ガール、花札遊び等々があり、いずれも明治初期から明治末頃までのものと見られます。
覗けば19世紀末~20世紀の日本が立ち上がってくる。
ちょっとした感動を覚えずには居られません。

■こちらはおそらく3度目になる入荷。ですが、今回は、武満徹の献呈署名と短いながらも楽譜が自筆でそえられているのが肝。さらに、何故だか図形楽譜2枚1組もついています。
武満徹の初の随筆集で、1964年に草月アートセンターから自費出版した『武満徹 ← 1930………∞』限定500部の内の73番。
画像には入れませんでしたが函付きの完本です。
昨日の市場には武満のハガキも出品されていましたが、志賀直哉のハガキを凌駕する価格に。もちろん私は不首尾に終わり。武満の自筆原稿を落札したのは一体何年前のことだったか、あれをいまもっていればという後悔しきりの年末です。

この他、こんな忙しい時に何故またこんなにでかいものを買ってしまったのかと、思い出すと途端にピタっと思考停止状態に陥るカッサンドルの巨大ポスター1額を落札。リプリントですがリトグラフ。それにしても、そもそも店に入るサイズなのだろーか。あれは。それはさておき。
第一次世界大戦をまたいでフランスで発行されていた高級婦人誌、ご存知『ガゼット・デュ・ボントン』より、バルビエのファッション・プレート(ポショワール」も1額落札。こちらは手軽なサイズで額もなかなかよろしいかと。
赤瀬川原平がビジュアル部分を担当した『犯罪者解放紙兇徒』、イタリアの未来派のマニフェストから始まる紙モノ・冊子・雑誌の忠実なレプリカ集、1980年代のものではありますがフルクサス関係の冊子・印刷物5点などが、来週木曜日に店に入ります(入るのか!?カッサンドル…)。

■順当にいけばこれで年内の更新もお仕舞い。今年もまた、HPをご覧下さいまして本当に有難うございました。新しい年も尚一層のご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
そして。ちょっと早い気もいたしますが。
みなさまどうぞよいお年をお迎え下さい!

 

 

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