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19/11/23 「第36回 銀座 古書の市」目録掲載品より 戦後日本前衛芸術関係2点

■お断りもしないまま、2週間にわたり新着品のご案内をお休みしておりました。この間に新年1月4日から松屋銀座で開催される「第36回 銀座 古書の市」の目録の入稿完了、目録発送名簿を提出、今週からは本格的に会場用の商品の用意に取り掛かりました。
引き続きの作業のため、店内は再び混乱を極めている上に、店を留守にする日も出てきそうです。
本日23日(土)と来週の26日(火)・28日(木)は通常営業いたしますが、来週30日(土)は所用のため夕方からの営業となります。
ご不便をおかけいたしますが、ご留意いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
先を急ぐ関係もあり、ちょっとした告知もかねて、今週のご案内は「第36回 銀座 古書の市」の目録掲載品よりピックアップすることに。
1点目は 草月アートセンターが残した足跡のひとつ、「東京フィルム・アート・フェスティバル」大阪開催分のポスターです。 1968年に大阪の朝日放送と草月アートセンター、季刊フィルムの主催により開催されたもので、粟津潔によるデザイン。刷はシルクスクリーン73.5×51.5cmと、ポスターとしてはやや小ぶりですが、映像作品のシーンをモチーフとした縦横無尽のコラージュと原色中心の色使いとによって、非常に強い印象を残す表現となっています。
「フィルム・アート・フェスティバル」は、その数年前から始まっていた"映画界での若さの胎動"(恩地日出夫 朝日新聞掲載記事)を"ひとつのエポック"に導くものと見られていました。同じ記事の中で、恩地は"「映画はすでに映画監督だけのものではない」というスローガンが無理なくこの催しのなかにおさまっているのを感じた"と云い、近いうちに"これがスローガンではなく、ごくあたりまえの常識として通用することになりそうな気がする"と続けているようです。
未見の当フェスティバルのパンフレットには「日記をつけるように映画をつくり、カメラで思考し始めた世代の誕生」とあるそうですが、半世紀を経たいま、この予言が見事に日常に根付いたことにお気づきかと思います。スマホとYoutube、SNSというものまで想定していたかどうかはさておき、草月アートセンターという戦後日本の特異点(権力・人脈・お金を しこたま抱えた文化的集団)のすごさに改めて思いを致す次第であります。 

■松沢宥『プサイの函』はいまから12~13年ほど前までに3回か4回ほど扱ったことがあり、当時の販売価格が7~8万。それが6~7年前頃からか、突然オークションで90万になったと聞き、古書店で70万で売れたと云われ、その段階では少店在庫は当然のようにゼロで、またしても早すぎたかと項垂れたのを教訓に、高くなってから売るゾ、高くなるまで待つゾとこの5~6年寝かせていた戦後日本の現代美術関係の商品を今回は目録4Pほどを使って掲載しています。早くも痺れが切れるあたり、小店店主の人間的スケールの小ささを物語っております。
がしかし、これはちょっと遅かったかなと判断に迷っているのが今週の2点目、同人誌『天蓋』。目録に掲載したのは松沢宥の詩「いやらしい神に」が掲載されている第8号(1953年)と二色刷の視覚詩「No.1」と「No.2」が掲載されている第9号(1954年)の2冊で、2冊一括での販売となります。9号で発表した2篇の内の1篇は、松沢関係書籍としてはいま現在最も入手しやすい『星またはストリップショウ』に収録されていますが、他の2篇は未収。
『天蓋』は金田弘、羊歯三郎など、姫路周辺の詩人が集まって発行した詩作中心の同人誌で、刊行のきっかけとなった西脇順三郎はじめ、諏訪優あたりとの同人誌を通じた交流、そして何故か松沢といった人脈につながっていく経緯など、まだまだ深堀してみないと分からないことの多い雑誌です。
1960年代には、『天蓋』のメンバーは後に姫路のギャラリーが発行す『Galant』にも関わっていくようですが、『Galant』では松沢はもちろん、吉原治良以下、具体のメンバーや赤瀬川原平、中西夏之あたりまでかり出す勢い。あまり注目されているようには見えない姫路=播磨ですが、見落とすべからずの観があります。
 
ここのところ起こっていることの全てがあまりに噴飯もので、もはや何か書く気も起きません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191121/k10012185901000.html
ちなみに、小店の会計関係資料は7年間の保管が義務図けられているし、領収証のない経費は一銭も認められないというこの違い。超弱個人事業主の方を締めつけたところで何の得もなかろーに。 

 

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