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20/02/22 20世紀初頭~20年代 挿画の世界 - ミシャ、バルビエ、ブルネレスキ等

■お陰様で今週はPCもすんなり起動。作業できる環境がもどってまいりました。
新着品につきましては先週お知らせした予定を変更して、今週は久しぶりの入荷となった20世紀初頭~戦間期フランスの挿画本をピックアップすることにいたしました。差し替えの理由は、先週・先々週と少々地味目のご案内になってしまったから、ということにありまして、他にこれといって深い意味はありません。何しろ華やかな商品の前では、原稿がやたら長くなる=価値の所在が分かりにくく説明を要する商品、というのはどうしても不利。“ばえる”商品優先という時代に掉さすこの軽薄さ …… 思えばもともと外見重視の小店のこと、どうかご容赦下さいますように。
商業美術家・内藤敏(敏雄)の仕事についてはまた改めてご紹介いたします。悪しからずご了承下さいますようお願い申し上げます。

ここ数年、日本での展覧会が相次いだアルフォンス・ミュシャ(Alfons Maria Mucha)ですが、それだけに今年以降しばらくは話題になるチャンスも少なく、急速に忘れさられてしまいそうな嫌な予感はするものの、しかし、現物を手にとりページを繰れば、華やかで精緻な装飾に、やはり目を瞠ることとなりました。それもそのはず、昨年開催された件の展覧会にも出品され、アール・ヌーヴォー様式の代表的作例に数えられている1冊です。
1900年、パリの版元から限定252部が刊行されたエミール・ゲバール(Emile Gebhart)著『CLOCHES DE NOEL ET DE PAQUES(クリスマスと復活祭を告げる鐘)』。本文80頁の内、白紙2頁を除く78頁分のテキストを、画像の通り頁丸ごと埋めるようにして、ミシャの植物文様とイラストが飾っています。30×22cmという大ぶりなサイズが採用された結果、本文を開いた時の迫力もなかなかのものです。
もちろん、装飾もイラストも1頁として同じ意匠はなく、しかも全てフルカラー。表紙・扉・奥付の頁も控えめの装飾が施されている他、表紙もご覧の通りの凝りようです。
繊細な描画となめらかで柔らかい彩色はどの頁も見事な出来栄えですが、採用された手法については、カラー・エッチングとする説とスミ版にポショワール(ステンシル)とする説があるようで、落札して以来何度見直しても判然しませんが、後者の方が可能性が高い印象。
ちなみに、物語は東方の三博士を扱ったもので、著者のエミール・ゲバールはソルボンヌで人気を誇る教授だった由、ミシャとの組み合わせはさて一体だれのアイディアだったのか当書では一切不明ながら、フランスの挿絵本では発案者も気になるところではあります。
 

■ミュシャが去って後約15年、そしていまからほぼ一世紀前・1919年のパリで、“絵と文学の月刊誌”を副題に、贅を凝らした雑誌が創刊されました。
今週の2点目『La Guirlande(ラ・ギルランド)』がそれ。各号限定800部程度が発行されていたようで、表紙にはシリアルナンバーの印があります。
当時パリでイラストレーターとしての地歩を築いていたウンベルト・ブルネレスキをアート・ディレクターに据え、ブルネレスキ、ジョルジュ・バルビエと云う挿画の二枚看板のもと、『ガゼット・デュ・ボン・トン』とほぼ相似形の形態 - イラストレーターとのコラボレーションによるテキスト(小説や詩)、イラストレーターを起用したファッションプレートやタイアップ広告プレートの添付、未綴という形態、ポショワールという彩色手法 などの採用 -で、1921年・11号まで発行されました。
入荷したのは表紙~奥付までを含む本文6号分ブレネレスキによる上製のポートフォリオ(但し断裂・イタミ有)1点と附録のプレート23葉
本文には後に単行本にもなったブルネレスキ挿画の『PHILI』やアラビア風の詩のシリーズ、バルビエ挿画の「青とかげと四輪馬車」という短篇小説の連載やモード記事の他、可憐な挿画のポラックや児童画のレイなどのイラストを含みます。中には日本のキモノの型染めを使ったようなジャック・ソデのポショワールといった変わり種も。
また、独立したプレートには、ブレネレスキを中心に、ドメルグ(画像の傘さす女性はドメルグ)、ヴェゲナー、アマール、ブランシュ、カドガン、スタブ、ボノットなどの名前が見られます。
独立したプレートについてはバラ売り、本文についてはどう分けたものか、22日いっぱい検討の予定。値段をつけて店頭に出すまで、こちらは少しお時間をいただきます。

今週はこの他、1930~1950年代のVOGUE・フェミナなどの洋雑誌32冊ポール・エデュアール著書(シャガール挿画入)から北斎『新形小紋帳』、天文観察データ集綴りファイル15冊、天井桟敷「疫病流行記」海外公演用英文パンフレット、古いカメラ(ローライフレックス)10台他が入荷しています。
北斎『新形小紋帳』についてはこんなサイトも。
https://mag.japaaan.com/shingatakomoncho/%e6%96%b0%e5%bd%a2%e5%b0%8f%e7%b4%8b%e5%b8%b3-3 この北斎にしても、今週のミュシャにしても、ミュージアム・ピースだとかデータ・アーカイヴに入るようなものは全て目玉が飛び出すほど高いと思い込んでおられる方も多いかと思いますがさにあらず。小店近隣のお店との比較で考えると、例えばM●Lのダウンを買うかミュシャを買うか、C〇Gのシャツを買うか北斎を買うか、と云ったあたりが凡そのところでありまして、決して非現実的なお買い物ではないことがお分かりいただけるかと存じます。

■こちらも久しぶりに。今週読んだものの中から。
アンダー・コントロール?
https://skazuyoshi.exblog.jp/28846197/?fbclid=IwAR0oJ_NVNnTo9sbiv3XjJOlmFtgi9M89vH5Mv_xT5EV4zA9cxNYrtyFczqM
閣議決定という独裁システム。
https://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/post/190945043196/%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%AE%98%E3%81%AE%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E5%BB%B6%E9%95%B7%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E2020%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%8821%E6%97%A5?fbclid=IwAR22Y0hXL9vafbB5zcp_GnP-iX0LpfA6wDIjf-rUsUn0BWguny1sDDUNz70
そして、当然の …
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200221-00163910/ 

 

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