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20/07/11 土 ブックカバーチャレンジ4日目 … SNS投稿記事より転載

■ブックカバーチャレンジも5日目となりました。今日取り上げるのは『戦後文化の軌跡 1945-1995』。1995年、日月堂を開業する1年前に開催された展覧会の図録です。

■図録は一時期新品同様のものが古本屋に出回ったこともあり、ご存じの方も多いかと思います。
この展覧会は衝撃的でした。サザエさんやバカボン、高野文子などの漫画、資生堂やパルコのポスター、ソニー製品他家電類、イッセイのプリーツ、TVCFなど、ミュージアム・ピースになるなど想像だにしなかった "フツーの私が日常目にしてきたもの" が美術館にふんだんに並べられていたからです。「Artwords」など美術史系サイトをご覧になれば、この展覧会がいかに画期的なものだったかお分かりいただけると思います。
古本屋を開業したのは良いものの、市場で先輩諸氏との勝負になると本など買わせてもらえないし、手元不如意となれば安いものしか買えないしで、早々に本から離れて、従来の古本屋が重きを置いてみることの少なかった紙モノ － 家電のカタログやお菓子の包装紙、メンコや店頭ポスターなど － にすんなり転向(!)できたのは、或いはこの展覧会のことが頭にあってのことだったのかも知れません。
この図録は4冊目までとは違い、使い込んでいるわけでも珍しいわけでもありません。がしかし、古本屋の目の前にいかに広大な可能性が拡がっているのかを示す象徴的な書物として、決して手放す気にはなれない1冊です。