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20/11/07 紙の上に残された ホテルと店舗と住宅のモダン !


■11月に入りました。年内の新着商品のご紹介もあとは数えるほど。ですが、来週は市場の関係で更新は1回お休み、また、14日(土)の店の営業は夕方からとなります。この日のご来店については、事前にお問合せいただくか、当日、Facebookでのご確認またはDMでお問合せをお願いいたします。
念のためおさらいしておくと、今週~来週の営業日は7日(土)、10日(火)、12日(木)のそれぞれ12時より20時までと、14日(土)の夕方から、とさせていただきます。大変ご不便をおかけし誠に恐縮に存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

先週の"紙相撲力士衆628名ご一行様"の圧倒的な力にあてられて、今週は市場に出かけて行ったところでどうにもさっぱり面白くない。というわけで、今週の新着品、画像の1点目の商品2点はまたしても店のバックヤードからの発掘品と相成りました。
ひとつめの画像中、上の2点は「東京ステーションホテル」のパンフレット。折りたたむと17×5cm程度のポケットサイズとなるもので、表紙を開いた側には東京市電略図が印刷されており、その裏側が「PLAN OF THE TOKYO STATION HOTEL」と題されたホテル全階のフロアガイドとなっています。
これまで帝国ホテルをはじめとするクラシックホテル関係の紙モノは荷札からマッチ、パンフレットや建築写真プレート集など、色々なものを扱ってきたと思うのですが、「東京ステーションホテル」に関するエフェメラを手にしたのはこれが初めて。極めて珍しい(…はず)。
表紙に刷り込まれている建物外観とその周辺を写した写真の様子が、もしかして足場を撤去してすぐ撮ったかと思う程度に殺風景なことから、1915(大正4)年の開業当初のものと思われます。
フロアガイドには「客間類別表」もあり、客室は「応接間及浴室付」「一人床浴室付」の浴室付きと、浴室のない「二人床」「一人床」の全4タイプ。最も多いのは浴室なしの「一人床」タイプで、共同の浴室が3階の左翼・右翼それぞれ端の方に3~4室、客室とは別に設けられています。どの部屋がどこに位置しているのかも、平面図とこの一表とを照らし合わせれば一目瞭然。
一目瞭然ということではもうひとつ、このパンフレットには「従業人食堂」「工作場」「配膳室」「倉庫」「機関室」等々、宿泊客や利用者が知る必要のない情報まで全て記載されておりまして、ホテルの全機能と配置がこのパンフレット1点で全て分かってしまうという …… いまではむしろ明かしてはまずいと思われる点まで、文字通り一目瞭然となるわけです。
で。お!とか え!とか ふむふむ とか。眺める度に発見のあるパンフレットです。


■↑と同じ画像に収めたもう1点はご存知銀座の名店、伊東屋さんの『株式会社伊東屋 新築工事概要』。B6・28Pの小冊子で、「1930.5.31.」との期日記載もあります。
地上1階から8階、屋上までの平面図にテキストが20P! このテキスト部分がこの冊子のすごいところで、竣工までのスケジュール、構造、装飾、施設、設備など詳細を極め、さらに現場監督と建築工事請負のそれぞれ個人名、下請負人の中小組織と個人名をあらゆる職掌まで網羅。ここまで記録している新築記念出版物を、すくなくとも私には他に見たことがありません。晴れやかな竣工の当日、手渡されたこの冊子に自分の名前を見つけて、人知れず胸を熱くした職人さんたちもいたに違いないと思います。
記録であると同時に、会社であれ個人であれ、それぞれの仕事に対して敬意を払う伊東屋という企業の姿勢の表れと見ることもできるもので、実に清清しい記念冊子となっています。
「東京ステーションホテル」も「伊東屋」も、シミなど状態に難のあるのが残念ではありますが、いずれも入手の難しいエフェメラです。

こちらは真正の新着品。またまたプレート集ですが、今回のは久しぶりのアール・デコ1926年にパリで発行された『LE HOME MODERNE 20 PAGES D'ALBUM COULEUR』。タイトルと副題にある通り、現代的なインテリア・デザインをカラー20図に収めたもの。但し、入荷したのは1プレート欠けの不揃い19葉。カラーの部分は全てポショワール(ステンシル)によるものです。
プレートはリビング、寝室、子ども部屋など空間別に、その全景を描いた1葉と、全景のなかに描かれた家具調度・装飾品を図示した1葉とで対をなす構成。つまり、全20図で10のインテリアプランを提示していることになります。
デザインを担当したのは1925年のパリ万博(アール・デコ博)で活躍したアール・デコ期の代表的デザイナーのひとりであり、1937年のパリ万博ではゴールメダルに輝いたモダニスト、ジョルジュ・シャンピオン、戦前から注目され、第二次大戦後のミッドセンチュリー様式に影響を与えたとされるルネ・ガブリエルなど。
全景プレートではアール・デコが前面出ているものの、家具調度のプレートに散見される細部にはミッドセンチュリー・モダンの萌芽が認められる、興味深いデザイン集となっています。
プレート1葉欠のため、全景+細部の1対毎にバラ売りの予定です。

■今週の斜め読みから。
いちいちあげているときりがいなのでこちら岸のいまをとりあえずひとまとめに。タイトルがまずいのが気になりますが。
https://lite-ra.com/2020/11/post-5692_4.html
対岸では火の手があがっては消え 消えてはあがり。
https://lite-ra.com/2020/11/post-5692_4.html コロナの年も残すは2ヶ月をきりました。寒さ到来とともになお一層のご用心を!

 

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