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07/09/22 Information

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築地小劇場の機関誌『左翼劇場パンフレット』→『タワーリシチ』→『同志』と改題

■今週も先ず告知から。10月12日(金)よりスタートする企画展「2007.東京.町工場より」、まだご存じなかった方は、左のアイコンをクリックして是非ご高覧ください。どうかよろしくお願いいたします。 いまのところ来週は、火・木・土曜の12時~20時で営業の予定です。がしかし、木曜日は一新会の大市にあたり、水曜日に入札全て済ませてしまうつもりではありますが、もしかすると木曜日は多少営業開始時間が遅れるかも知れません。大変恐縮ですが、木曜日にご来店の場合には、当日お電話で在席をご確認いただければ幸いです。ご面倒をおかけいたしましてすみません。何卒よろしくお願いいたします。 ■今週の画像。どうです、この地味っぷり。「きれい」で「すぐ分かる」ものがしばらく続くと、「自分はこのままますますダメな古本屋になっていくんじゃないか…」という不安に襲われて、その反動が突然やってくることがあります。今週の落札結果を見れば、つまりは典型的な反動期、「きたなく」て「分かりにくい」ものばかりとなった次第。上の画像はその代表であり、築地小劇場のなかに置かれていた「日本プロレタリア劇場同盟」発行の『同志』。いずれも昭和6年に発行された3冊です。この『同志』、『左翼劇場パンフレット』を改題した『タワーリシチ』 (=ロシア語で「同志」の意・画像の内の2点)をさらに改題したという、ウームまるで出世魚のようですね。しかし内容はそんなフザケたことのいえたものではなく、『左翼~』から『同志』まで、共通して見られるのが職場での「ドラマリーグ」組織化への呼びかけであり、築地小劇場が演劇を通して人民戦線的なあり様を実現しようとさかんに模索していた様子がうかがえます。

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大正時代、印刷屋さんの店頭に備えられていた見本類一式

これに対して肝心の「ドラマリーグ懇談会」の方たちからは“出てくる労働者が皆ルンペンな感じを与える”(…)とか“劇場が寒くてかなわぬ”(…)なんていう意見が出されておりまして、悲喜劇は何も舞台上で繰り広げられるばかりではなかったようです。『同志』発行から約10年、昭和15年にはその築地小劇場も国家総動員、皇紀2600年を祝う「芸能文化の会」(=al29参照)に組み入れられてしまうことを思うと、歴史の流れというものは、昔も今も実に目の離せないものだと思います。尚、当品は他に『左翼劇場パンフレット』1冊、『築地小劇場 小山内薫追悼号』などと合わせての落札。落札してみて思ったこと。「この手のものは売るのがかなり難しい。」→「不安はさらなる不安を呼ぶだけであるらしい。」 続く下の画像、今週の落札品としてはきれい目なところで、印刷に関係した見本類の一式です。画像の中で一番大きいペラものは大正4年の「秀英舎活版製造所 最新電気製画形」(両面)、右上の冊子は大正2年「明勝堂・戸田活版製造所 製品定価表」。後者は活字から記号、電胎盤(図案)、地紋鉛版などの総合カタログで、特に「オーナメント」と「装飾輪郭」は充実しています。左端の冊子は大正元年のスタンプのある「岡部清次郎商店 石版用インキ色鑑定」で、一色ずつ図版を使った見本となっています。この他、画像右下の「新形花名刺見本」(植物や風景などがカラーやエンボスであしらわれた粋筋用の小型の名刺。裏面に和歌が印刷されたり、菱形のもあります)、名刺用の「紙質見本」や「内外カット大全」など印刷屋さんが店先に備えていたと思われる一式が丁度揃った感じです(画像はその極一部)。いずれもほぼ極美といってよい非常に質の高い一口だったこともあり、今週の落札品ではこれが一番の高値となりました。ついつい手が出てしかも意地にまでなるのは、「印刷解体」の後遺症でしょうか。不安に加えてこの後遺症。病は重い。そして来週の支払いは……いっそ倒れてしまいたい重さであります。

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