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21/05/29 営業自粛再延長中の落札品から - 普門暁の肉筆画!!!


■東京都の緊急事態宣言期間が6月20日までにさらに延長されることになりました。小店では店内整理や市場の関係で6月8日より20日まで、アポイント制で営業する予定です。ご来店の希望日時等のご相談やHP、SNSに投稿した商品についてのお問合せ、その他のご用件等ありましたら、Facebook、Instagram、Twitter経由のDMでご連絡下さい。こちらからご返信申し上げます。
お気兼ねなく、お気軽に、ご遠慮なく、どうぞ!
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久々の新着品のご紹介です。1点目は毎年5月に開催される洋書会大市での落札品。まさか洋書会にこんなものが出ていようとは。という不意打ちのように目の前に現れた商品でした。
日本の戦前の美術史、しかも新興美術運動について関心をもっている方には知られている作家・普門暁(Gyo FUMON ; Japanese Futurist)の肉筆作品2点を落札することができました。
普門は1920(大正9)年、未来派美術協会を結成したことで知られる日本の前衛芸術運動の先駆者のひとり。当然、『大正期新興芸術運動の研究』には何度も登場する人物です。
二科展で落選したのを契機に1920年に「未来派美術協会」を設立、第1回未来派展を開催したものの、2回展は同人の木下秀一郎に丸投げして運営に関わることなく、自分は二科会に復帰。大正11(1922)年、第3回未来派展を拡張した「三科インデペント展」を未来派美術協会が開くことになると、同協会の解散説を唱えて参加せずに二科展に出品するなど、我が国新興芸術運動のごく早い時期の未来派の主唱者でありながら、結果、日和見主義な動き方の方がよほど目につくことになってしまった残念な人。
とはいえ、未来派美術協会の解散が後のマヴォ結成の源流となるなど、日本の前衛芸術を考える上で欠くことのできない人物のひとりであることに違いはありません。
今回に入荷した2点は、スミのにじみや署名の筆跡に表れているように、和紙を支持体に日本画用の筆・墨・顔料等を使って描かれたものと見られます。実験的にトライしてみた作品の可能性も。
普門の経歴を確かめてみると、大正4(1915)年にイタリア新興美術(未来派)等の表現技術を学び、翌年、川端画学校に入り日本画びますが、「ここでも新傾向グループのリーダーになり、紅児会と名づける」(東京文化財研究所のサイトより)
とあることなどから、未来派美術協会結成以前、川端画学校在席当時の作品と考えられるのではないかと思います。
https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9462.html 

問題の絵は2点。B4サイズの小さい方は裸婦像ですが、その倍サイズの絵は一体何を描いたものなのかなかなか判然としない作品ですが、この当時、音楽界流行の尖端にあったジャズ - アップテンポな曲をアクロバティックに演奏するジャズピアニストの一瞬の姿をうつしとった絵画のようにも見えるのですがいかがなものでしょう。
普門暁というマイナーな画家の作品は、落札時、4枚札の最高値となりました。これはまた厄介なものを抱えることになってしまったぞと少々慌てたものですが、和紙の上にのっているのが20世紀はじめの美術と音楽の新しい精神であると考えれば、買った甲斐もあったというものなのですがさて …… 晴れて謎の解ける日を心待ちにするものあります。

■新着品をもう1点。先日SNSにアップして反響の多かった『配色総鑑』の著者・和田三造のデザインの仕事から。「昭和8年 三造」と書き添えられた高島屋のノベルティと見られる扇子の図案。細かなイラストを木版刷で丁寧かつ贅沢に複製したもので、川と橋、五重塔などから大阪の髙島屋を描いたものと見られます。
90年近くを経ながら色褪せるところのない和田先生のお仕事です。

■今週の斜め読みから、は、たくさんあってきりもないのですが、最もあきれたのをひとつだけ。
https://bunshun.jp/articles/-/45703
中止した場合の経済的損失1兆8千億円には、大会中~大会後のコロナ感染拡大によって失われる命の値段は入っているのでしょうか。
この期に及んで総理が記者会見で語ることが「力を結集すればウイルスに打ち勝てる」なんてことであり、 政府のコロナ分科会の長がお笑い芸人との対談の最後に「若い人達と話す喜び」と嬉しそうにフリップに書いてるこの国って ……
ここのところ、昭和のあの戦争で日本がなぜ負け戦を延々と続けていたずらに犠牲者を増やし続けたのか、その理由がとても良く分かるようになってきました。

 

 

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