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07/09/29 Information

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羊皮紙に書かれた1785年の『財産分配状』

■先ずは営業ご案内。来週、店は火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたします。また「雑書目録」「BOOKS」「PRINTED MATTER」等の更新も進めておりますので、ご高覧いただければ幸いです。 すでにお馴染みの方もいらっしゃるかと思いますが、企画展「2007.東京.町工場より」が10月12日(金)からスタートします。少しずつパブリシティに動きが出てきたり、ご紹介くださるブログが出始めたりして、みなさん本当に有難うございます。ちょっと安心。したいところですが、いやまだまだ。ご存知ない方は、左の「企画展」下のアイコンをクリックして是非ご高覧ください。開いたページの一番下の行からは、パルコ・ロゴスギャラリーのサイトにも飛んで行けます。併せてご高覧のほど、何卒よろしくお願いいたします。 ■古本屋に衝動買いはあるのか、といいますと、答えは「ある」。考えてみるとほとんどが衝動に任せて仕入れをしている小店はヘンなのかも知れませんが。今週の新着品、最初はそんな“衝動買いの極北”ともいうべき一点。何かと云えば、「財産分配状」で、入札する際に品物に添えられている封筒にそう書いてあったからそうなんだ、と思うだけ。紙ではなくて羊皮紙であることは分かりましたが。小さく畳まれていたのを広げてみると、セピア色に変色した手書きの文字が実によい佇まいです。書体の魅力というのは、行き着くところ手書きにあり、とも思えてきます。しかし買ったところで売るあてはなくしかも売り口上のひとつとしてまともに書けず語れず…いや。でも。これ。いいんじゃいの。いいもんね。―で入札。

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1908年の「実体写真」=「立体写真」に残る日本の芸妓と大阪道頓堀の賑わい

そしたら落札。かようにしてまた、悩み多き一点が入荷することになるわけです。分からないなりに仔細に眺めてみると1785年の書き込みがあり、書かれた文字は英語であり、合計5名の署名があり、補修?と見えたブルーの紙はどうやら空押しされた印紙のようであり、しかもその裏側にはまた別の証印らしき紙が貼ってあり、表題にあたる部分だけは印刷されており…等々(見たまんま並べただけダ…)ひとつひとつの意味が読み解ければ、おそらく相当な情報量を持っているに違いないのですが、何の因果か小店の手に落ちたからには、“意味を度外視してもなお魅力ある物象”として扱うことに…こうなったら特製額にでも仕立てようかと愚考中。 さてお次、時代はぐっと下って20世紀初頭の物件です。解説書のタイトルには「実体写真」とありますが、一般的には「立体写真」とか「ステレオ写真」とか呼ばれる写真の紙焼きです。極僅かに左右のズレた写真二点が一枚の台紙に貼り込まれています。本来なら覗き眼鏡など専用道具に装着して楽しむものですが、今回は写真ダネのみ。1908年に「万国実体写真協会東京本部」が発行したシリーズ中の4セット(各17点・ケース入り) です。画像はこの内、日本の風景をセットにしたものから、「日本の芸妓」と「大阪道頓堀」の着色された風景。このシリーズには「浅草十二階」や「横浜桟橋」「大磯海水浴」なども含まれています。入荷したのはこの「日本」の他、「上海・漢口」、「青海」、「北京」のシリーズ。「青海」を除き、それぞれ写真裏に日本語で記されたキャプションを冊子にまとめたものが付いており、こちらには中国語、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語の五ヶ国語が併記されていることから、おみやげ品として流通させようとの意図があったのではないかと思われます。日本は、そしておそらくは中国も、現実にはその痕跡をほとんど留めていはしませんが、101年前の時空がいまここに、凍結されてあります。例えば本棚のたった一段に、一世紀の、あるいはやろうと思えば数世紀に上る時間をさえ、並べることのできる古本屋というのは、実に面白い商売であることに違いありません―ただし―食べていけるかどうかは“また別のお話”。

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