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21/08/14 日本の意匠を木版刷で - 昭和の掛紙と明治の扇面図


残暑お見舞い申し上げます
西日本を中心にこの週末は災害級の大雨警報が出ています。いまこの時も不安な夜を過ごされている方もいらっしゃるかと思います。コロナも全国に感染拡大中とあって、気の休まらない日々が続きますが、みなさまどうかくれぐれもご用心下さい。
先ずはお知らせです。明日8月14日(土)、1回目のワクチン接種をうけます。1回目の接種では副反応は出にくいようですが、念のため、大事をとって店は休業させていただきます。来週は火・木・土曜日のそれぞれ12時から19時まで営業いたします

今週、営業を再開いたしました。久しぶりにお顔をお見せ下さったりお電話を下さったり。お陰様で忘れ去られることもなく(何年経ってもこうした心配からはなかなか解放されません)、店での日々を取り戻すことができました。
ですがしかし、足元では留まるところを知らないコロナの感染拡大と、すでに起きていると云われる医療崩壊 ……。
オリンピック期間中の休業は小店の最寄り駅・表参道の利用を避けるための措置でした。何しろ表参道駅ときたら、銀座線、常磐線と小田急線と相互乗り入れしている千代田線、東急田園都市線・東武鉄道各線と乗り入れしている半蔵門線と長距離乗り入れの地下鉄3路線が乗り換えし易く配置されており超便利。各種競技会場へのアクセスの点でも絶対便利(…だったはず)ですので。用心の意味で。
がしかし。こんなことになると分かっていたなら、むしろこれから休むべきだったのではないかと少々頭を抱えております。
ただ、そうした状況を踏まえて、大変有難いことにお客さまみなさま、アポイントをとって下さったり、ご来店直前に確認のお電話を下さったり。お陰様で店内でお客さまが重なるような事態も回避することができております。もともと換気の点では恵まれてもおります。
今後の対応については、感染状況等をみながら随時判断していきますが、当面の間はアポイント制での営業を継続させていただきます
ご面倒をおかけいたしますが、ご理解・ご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

■今週は久しぶりの純日本テイスト、木版刷の紙モノが入荷しました。
1点目は「掛紙見本」。一般的な掛紙の二分の一程度(12.5×19cmほど)とかなり小さいサイズで、薯蕷饅頭2つ入れた箱、つまり慶事用の紅白饅頭の箱にかけてちょうど良さそうなサイズ
入荷したのは綴じた形跡もないバラが100枚ちょうどと、現物48点を貼り込んだ見本帖1冊で、バラの方には小店店主の好物、亜米利加饅頭と仏蘭西饅頭で知られる「菓子匠 梅花亭」といった店名入りのもちらほら。 

和菓子2つ入りというと慶事ばかりでなく弔事にもつかわれたものですが、今回入荷した100枚+1冊は全て慶事用。用いられている絵柄の種類・性格と使われている色の明るさ、そして例えば「手習子」「汐汲」「吉原雀」「連獅子」「保名」など、日本舞踊・歌舞伎舞踊の演目名が多く刷り込まれていることから、発表会やお披露目など晴れの舞台に来て下さった方への返礼品用と見られます。
一見、戦前のもののように見えますが、見本帖の裏側に押された「宮本木版社」のスタンプが左から読む横組みで、電話番号の市内局番が二桁となっていることから、昭和でも戦後の、それでも1960年頃までのものと思われます。
今回、画像にとったのは全てバラの束から抜き出したもの。見本帖の方が全体に保存状態は良好。バラの方は図版と状態により値段に幅をもたせて1枚ずつ販売する予定です。
それにしても、こりだけのヴァリエーションが必要なほど、日舞関係者が居たということにちょっと驚きを覚えます。

原型をとどめていれば上製木版装の瀟洒な本になっていたはずなのですが、表紙・裏表紙の装丁紙が失われており、裸本にあたる状態。ただ、肝心の図案は並から並以上の状態が保たれていました。
京都の美術書の版元として明治時代より木版刷りの優れた図案集の版元として知られる山田芸艸堂『扇面画譜』の「前編弐」の1冊。明治33(1900)年の発行です。
巻末の「商標 美也古扇 賣扇庵  宮脇新兵衛」による跋文により、収録された26図 - もちろん全図木版多色刷 - が賣扇庵の商品「美也古扇」のデザインであることが分かります。
賣扇庵は現存する老舗の京扇子専門店。同社のサイトによれば創業は文政6(1823)年といまから約200年前。創業時の屋号を近江屋新兵衛と云い、明治20(1887)年に富岡鉄斎の命名で「宮脇賣扇庵」を屋号に、 商標を「美也古扇」に改めたとあります。
『扇面画譜』にとられた意匠は四季の自然に題材をとったものがほとんど。図柄は繊細な具象、配色は控えめと、全体にクラシックで格調高い印象を与えます。
裸本ということで、市場では綴じをほどいて1図ずつばら売りするつもりで応札。落札した後、あれこれ調べてみたものの、なかなか出てこない書籍であることが分かってきました。とすれば資料としての意味も出てくるはず。
というわけで、しばらくは原状のまま1冊での販売とさせていただきます。

■森某元オリンピック関係組織のトップが聖火ランナーはゴジラ松井にと執着していたという小話とヒトラーのアーリア人に対する執着とでは一体どの程度の開きがあるというのだろう森某がコモノでほんと良かったなと思った今週の斜め読みから。
閉会式とともに完膚なきまでに終わってしまったあれやこれや。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86163?imp=0
はじまるはずのデジタル庁もはじまる前から終わっているというお話しとかは、下のアドレスのその前に
「ジョイのボーイズクラブ|MITメディアラボ所長の辞任騒動をめぐる覚書」
というnotoの記事を検索して是非ご一読を。そしてお時間あれば↓も。
https://mobile.twitter.com/ajian1108/status/1423416275489812482?fbclid=IwAR2x-U0-Ect-zV985tw_nWC2RCYh6ToIH6-NXXzy_3ON-uaGxx3UwVjgN9M

 

 

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