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07/10/06 Information

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総延長3.4mの石版刷りイラストで描かれた往時のパリ、レビュー小屋の風景とスターの肖像

■来週には陳列・初日だというのに、ここにきて買ってしまったダンボール1箱。「町工場」展への準備は搬入直前まで続きますが、そちらと店で扱う商品では―とくに今回―全然別でありまして、こちらは店頭新着品のご紹介。最初の画像はパリのレビュー小屋(ミュージック・ホール) 「カジノ・ド・パリ」が発行した『LA REVUE DU CASINO DE PARIS―ON DIT CA・・・』。レビュー華やかなりし頃の舞台の情景・出し物やスターたちの姿を、全てイラストで表現したもので、イラストレーターとして「A Barrere」の名前が記されています。表紙のみならず中面・折丁仕立ての12Pが、全てカラー石版刷り。さすがは。1930年代にはパリのこの手の店のなかでも最高級店と称せられただけのことはあります。カンカンはもちろんコミカルな群舞、スパニッシュ・ダンス、黒人レビュー、シュレンマー風の衣裳を着けた踊り手、果ては水槽のなか半裸で踊る美女やらキューピーの隊列(かぶりもの…?)までが並ぶ賑やかさ。さぁて全体を眺めてみるかと折丁全部広げてみれば……約3m40cm。店でもこうしてお見せできれば楽しかろうと思ったものの、何しろ三歩で行き止まりの小店、ぜーんぜん収まらないのでした。奥付がないので年代の特定の難しいところですが、贅沢なつくりの一方で、ミスタンゲットの扱いが小さくかつジョセフィン・ベーカーの名前が出てこないことなどから、第一次大戦終結以降、1930年に入るまでの間に発行されたものではないかと(あくまで推測)。

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昭和初期、三越百貨店発行のPR誌『三越』 ペガサスの表紙は杉浦非水作

またこれと同じクチで1923年発行の高級婦人月刊誌『ART・GOUT・BEAUTE』3冊も入荷。残念ながらムレ・水シミなどダメージが大きく、こちらは破格値で出す予定。ポショワールのスタイル画多数を所収しているので、考え方・使い方によってはかなりおトクです。 続いて下の画像、日本で最初の百貨店・三越発行のPR誌でその名もそのまま『三越』。昭和4年から6年にかけ月刊で発行された内の21冊が一括入荷。長い発行歴のあった同誌でも、表紙のデザイン・内容ともに、一番充実していた時代ではないでしょうか。画像のなかでペガサスの表紙は杉浦非水、クリスマス号に相応しく、西洋人形が箱に入ったイラストは新本勝。目次をちょっと眺めれば北村兼子、松野一夫、巌谷小波、江見水陰といった名前を拾うことができ、しかもモダンな商品の数々がこの当時としては再現性の高い写真で紹介されており…。確かに、古書好き、モダニズム研究に関係する方たちに、よく知られているのも頷ける内容。その月のカレンダーが印刷された厚紙が入っているものも多く、このカレンダーに各種商品の陳列(フェア)や展覧会のスケジュールがびっしり並んでいるところなどは、パリの百貨店が盛んに発行した「アジャンダ」の発想にも似ているようです。いまも昔も、洋の東西を問わず、モノを売るために人は実にさまざまなことを考えてきたものだと感心するわけですが、だからといって古本屋が機械部品を売っていいのかしらと未だに疑問を抱えつつしかしダンボール箱1箱…(…→と冒頭に戻って仕事は続く。そして来週の予定はさらにその上のinformationをご高覧のほどお願い申し上げます)。

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