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21/09/11 小さなサイズの木版刷りもの各種入荷!


■先週土曜日、2度目のワクチン接種を終えました。副反応なし。ひとつもなし。「バファリン・ルナI」も「ひえピタ」も「ポカリスエット」も出番なし。うしし。良かった。ラッキーだった。と思う一方で、これで本当に抗体できるのか? 生理食塩水で薄めてないか? と疑念が浮かんできたりもし、副反応がなくて良かったのか、あった方が良かったのかわけが分からなくなった今週ではありました。
というわけで、本日9月11日以降、また火木土曜日の12時~19時とコロナ禍下での通常営業に戻ります。
ご来店にはアポイント制を継続いたしておりますので、ご面倒かとは存じますが、事前にご連絡下さいますようお願い申し上げます。

今週は、いずれも小さなサイズの木版の刷り物が多種入荷いたしました。
1点目は燐票=マッチラベル。マッチラベルについては、都市風俗を色濃く映した資料的な意味をもつ広告マッチを中心に、いまでも時々仕入れていますが、趣味人が交換を目的につくらせた木版刷りのマッチラベルはあまり面白さが見いだせないこともあって遠ざけてきました。結果、二十余年、エフェメラを取り扱ってきた小店ですが、木版刷りのマッチラベルがこれだけまとまって入るのは正真正銘これが初めてとなります。
とくに画像中下段の左、「小川沙久 自画刻 十二支」の十二枚の図版には何ともいえない味があり、俄然、買う気になりました。12点全点については左上の画像をご覧いただくとして(とくに兎と猿にご注目下さい)、つまりはマッチラベルを買うというより版画を買ったようなもので。
版画を買うつもりで入札に及んだもうひとつの動機が、下辺に黒の帯を敷き、そこに白抜きで発注者の名前を入れるという統一したフォーマットにおもちゃ絵を配した30枚のシリーズ。画像中上段のそれにありました。 

木版刷りの燐票がまとまって出てくる場合、圧倒的に多いのが役者絵や浮世絵風、でなければ蕎麦屋か日本酒の商標っぽいものが圧倒的多数で、可愛いとか洒落てるのが少ないなかで、これは悪くないと思いました。
そんなこんなで落札したのを改めてつくづく眺めてみると、おもちゃ絵の30枚全てに「贈福山碧翠君」とあるのを発見。福山碧翠君とは誰ぞやと早速検索してみたところ、“般社団法人日本燐寸工業会および協同組合 日本マッチラテラルが運営する「マッチ」のミュージアム”「Virtual Museum マッチの世界」にたどり着きました。監修はご存知、加藤豊さん! とても楽しいサイトです。 みなさまもどうか是非ご訪問下さい。
話しは戻って「福山碧翠」。
ミュージアムに設けられている「マッチの歴史」の部屋を早速訪問。すると年表の1ページ目から福山の名前が出てくるではありませんか!
福山は1876(明治9)年生まれ。1900年に上京すると煙草屋を開店し“愛燐家村上群雀と知りあい、燐票収集を開始”と云いますから、燐票蒐集家の草分けの一人であるに違いありません。2年後には「奴商行」を創業してマッチを取り扱い、さらに共同経営を得て新会社を立ち上げると広告マッチの製造にも乗り出します。その翌年の1903(明治36)年には早くも「燐枝錦集会(りんしきんしゅうかい)」を創立して第1回会合を開催。日本のマッチ産業草創期より、実業と趣味の両面でマッチとの関係を深めていった人物だと云えそうです。
その後は関東大震災も乗り越え、1927(昭和2)年には南千住町にマッチ工場設立。また同年、燐票蒐集量は20万種を数えたと云います。コレクターとしても破格。
しかしその福山は1933(昭和8)年、脳出血で倒れます。それにより、神田末広町で営んでいた広告燐寸商「ヤッコ商行」を譲った先というのが同好者の小川沙久でした。
一括で落札した他の木版刷りの燐票を改めてみていくと、「東都木版燐楽会発行 見立十二ヶ月 第壹集」12枚「東都辛美会 雛百種盛会礼」100枚「第五回木版票 交歓会盛会」4枚などがあり、明治末~昭和初め、木版燐票をめぐる趣味人の活動が伺える内容であり、資料的な意味も読み取れそうではありますが、とはいえ一括で欲しいという人は稀だろうと思いますので、各シリーズごとの販売とする予定です。
 

 ■画像2点目は木版刷りのポチ袋のシリーズ『音曲所作撰』。第二輯~第五輯の4点でそれぞれ6枚入りの完品です。
タイトルにある通り、助六、越後獅子、どんつく など、よく知られた音曲に題材をとり、デザインに落とし込んだシリーズで、大津市鹿関町にあった大津堂というところから発行されたもの。
意匠についてのクレジットはありませんが、古典的なモチーフを大胆な構図で現代的にアレンジした手腕は目をひきます。
B5のOPPに1袋、一緒に落札したなかには、さくら井屋の絵封筒などもあり、『音曲所作撰』以外はぼちぼち値付けをしながら随時店頭に出していく予定です。

今週はもうひとかたまり。江戸千代紙の老舗、ご存知いせ辰さんの木版刷小型千代紙15枚が入荷しました。20×13cm前後と小さなサイズですが、福笑い、面づくし、猫の踊りづくし、玩具双六など楽しいものばかり。
なかでも驚いたのが今週3点目のこの画像です。
鬼太郎の目玉のおやじから目の部分をとったような、がしかし顔は赤いし体には真っ赤な血管が浮き出ているし、典型的なキモカワ。
余白部に刷られたタイトルは「志ん板おもしろほうづき絵」。
なるほど、このキャラクターは袋の部分を4分割して実の部分を上に向けたほおずきを擬人化したものだったというわけです。
それにしても、ほおずきが海ほおずきを売ってたり買ってたり、白玉食べてたり大福売ってたり、いせ辰さんのほおずきは自由だ……。

■今週の斜め読みから。
悪いことはいわないから この人だけはいけませんって & こういう人を称賛ってまたまた世界から遅れていくだけですって。
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0909/ltr_210909_7807241789.html
この人のあたまの中には徹頭徹尾自分のことしかないんですねえ。
https://www.asahi.com/articles/ASP987SB7P98UTFK02S.html?twico
ハンバーカーならマックでだって食べられると誰か教えてやって欲しい…。

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