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07/10/20 Information

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昭和11年・国防思想普及会本部発行『家庭防空』

■一週間が「あ」の一文字発声する間もなく過ぎていく、と思うのは私だけでしょうか。来週22日(月)には「2007.東京.町工場より」(詳細は左の企画展の下のアイコンからご高覧のほど)を打ち上げて、店は火・木・土曜日の12時から20時で営業いたします。ぼちぼちではありますが店頭商品も入れ替わっております。少し様変わりした店に、また是非お出掛けください! 店にだぁれーも来なかろーが、ネットで注文が入らなかろーが、市場に行くのが私の務め。何が出るやらわからない。というので行ってまいりました市場へと。買ってまいりました新着品を。ポスターかと見紛う最初の一点、『家庭防空』は実際にはB4中綴じの冊子で第四師団司令部編纂、昭和11年・国防思想普及会本部の発行。切り抜きやフォトモンタージュを採用したいかにもプロパガンダなグラビア頁と、灯火管制への対応方法や消防、防毒などについてのハウツーを絵と文とで分かりやすく解説した頁という、大きく二つの要素によって構成されています。家庭のみならず、個人商店の店頭対応策なども詳解。不透明のカーテンを店頭に二重三重に据えよとする指示を見る限りでは、戦中の商店街の風景は想像していたのよりずっと暗いものだったのかも知れません。防毒マスクをつけた女生徒の大集団が行進する写真―もちろんフォトモンタージュ―はかなり不気味。これがたった60~70年前の日本の姿であり(お国が市民に徹底いや強制しようとした体制であり)、こうしたものを見るにつけ、いまの北朝鮮のことを全然笑えないじゃないかと思い、またひとつ間違えば時代はいつも逆戻りする可能性があることを肝に銘じておきたいと思うんですけどね。そういえば小学校の中学年の頃だったか、黒板の上に貼ってあった日本史年表に「天皇の人間宣言」というのを見つけた時には…すごい国に生まれちゃったなと思ったものでした。

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ナチス・ドイツの戦争画、テーオ・マテイコの画集『DAS THEO MATEJKO BUCH』

■次の一点も戦争つながりで、ナチス・ドイツの従軍画家テーオ・マテイコの画集『DAS THEO MATEJKO BUCH』。この一冊には見返しに署名と「7.XII.1938,」の日付のあるところがミソ。海外のサイトで1940年の発行としているところが一カ所ひっかかってきましたが、本自体は無刊期。図版の一部に添えられた日付は最も新しいもので1938年、作家自身は1946年まで生きていたこと、図版に入っている署名との筆跡の一致などから、1938年までに発行されていたものと考えます。図版は全てモノクロですが、マテイコはほとんどの作品をモノクロで描いていたようで、力強い描線とダイナミックな濃淡によって迫力のある画面が支えられています。ハーケンクロイツの旗を立ち上げようとする市民、見下ろすような視点で描かれた戦闘機の空中戦、軍艦上から敵艦を迎え撃つ海兵など、雑誌『TIME』が「戦場からはマテイコが写真よりもずっと迫力のあるスケッチを送ってきた」と記しているのにも頷けます。躍動感のある筆致は戦争画のみならず、カーレースやボクシングなどのスポーツから飛行船ツェッペリン号墜落の様子にまで及び、この一冊で彼の手掛けた画業を広く知ることができます。ところで日本の戦争画もまた海外のメディアに送られたり掲載されたりした例が果たしてあったのかどうか。この一冊からまた新たな疑問が生まれました。 「町工場」展、私の知らないうちにたくさんの方がご高覧下さっていたようで、いやもう感謝の一言です。紙でもなく印刷でもなく文房具でもなく「機械部品」と「工具」。古本にはお馴染みでも、これはあまりに古本から遠く…しかも紙より重い。にも関わらず、わざわざご来場くださった皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。といっても会期はまだ22日(月)まで。会期後半のもうひとふんばり、どうか引き続きよろしくお願いいたします。

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