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08/01/19 Information

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右)ナチス・ドイツ前夜のベルリンを活写した藤森成吉『ロート・フロント』 左) 『ソヰエート ロシヤ詩選』はkatsue装画

■厳しい寒さにもってきて経済の先行き不安まで加われば、古本屋なんぞに出掛ける必然性など全くなく、それでもわざわざ―しかも限定された営業日に―ご来店くださるお客様に心の中で手を合わせながら、来週も店は火・木・土曜日の各日12時~20時で営業いたします。 最新の落札品から選んだ今週の新着品。先ずは上の画像、向かって右は1930年から1932年にかけてベルリンを中心に欧米に身を置いた藤森成吉の見聞と考察とを一冊にまとめた『ロート・フロント』。帰国した翌年にあたる昭和8年発行の初版です。著者・藤森が「半分グラフ的な本にしようと試みた」と記した通り、現地で自身が撮影してきた写真や持ち帰った資料からの転載など、本文内には図版多数。扱いは決して大きくありませんが、レイアウト、アレンジもなかなかのものです。渡航期間中、長く滞在したベルリンでは、当時、ドイツ共産党が台頭する一方でナチスが勢力を拡大していた時期にあたり、斜め読みした限りではありますが、ヒトラーとナチスの怪しさと民衆の熱狂など、結構生々しいレポートとなっています。世界恐慌後のアメリカと、疲弊したドイツとを比較した藤森の見方も興味深く、時代の転換期を捉えた知識人の記録として位置付けたい一冊です。向かって左『ソヰエート ロシヤ詩選』は昭和4年、その名もマルクス書房という版元から発行された初版本で、黒田辰男、村田春海、園田時子の翻訳によるアンソロジー。巻頭には、当時のロシアの詩人と詩壇に関する詳細な解説が収められています。鍬をデザインした装丁イラストの下の方には「katsue」のサインがあり、これはあのカツエさんによるものでしょうか。格差ではなく階級化の段階を迎えたともいわれる日本では、いまのところケータイ小説が売れているようですが、なぁーに次はプロレタリア文学でしょ!-というのはあり得ないでしょうねぇ。

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『築地小劇場』創刊号から第二巻第十号まで揃い17冊 右端は同誌に掲載された南天書房発行・雑誌『ダムダム』創刊号の広告

■下の画像も新着品。『築地小劇場』創刊号から第二巻第十号(大正13年6月~大正14年10月発行)までの揃い・17冊。年頭の休みの間、自宅に溜まっていた紙モノ・冊子の類を整理するのに丸四日間、お陰でデータアップの仕事に辿り着けなかったのですが、随分前に仕入れたままになっていた築地小劇場のパンフレット類を発掘。それだけでは少々寂しいかと思っていたところでの出品につい手が出ました。以前、何度か扱った同誌では、縦長のチラシが挟まっているのだとばかり思っていたものが、実は帯だったというのも恥ずかしながら初めて知ることとなりました(画像の表紙二冊にかかっている白い紙の部分がそれ)。第二巻第七号までは、この帯の裏と表4はクラブ化粧品の広告まで入っています。さすがは! しかし一番驚いたのは画像右端の第一巻第五号に載っていた雑誌『DAMDAM(ダムダム)』創刊号の広告でした。「散文への挑戦!詩の要求!」というコピーの下には巻頭言から始まる目次が並び、罫下には発行所としてあの「南天堂書房」の記載があります。これだけでも充分価値あり、と見るのですが、折角の創刊号からの揃いをバラして売るのもどうかと思われ、一方でこの広告をはじめ各冊ピンポイントで欲しいという気持ちもよく分かり…バラすかまとめるか。それが問題だ、というわけで、明日の朝までしばし黙考……(そんなに慌てなくても売れるとも思えないんですけどね)。 先週、このページでお願い申し上げたところ、「実は、ありました」との有難い情報が。「でも二年前のことで」……ううう。遅かったか。それでも一週間で情報をいただけたのをいいことに、再度のお願いです。大正年間から1980年までに発行された『黒髪』『新美容』『しんびよう』『美容師の友』『TOMOTOMO』と、『しんびよう』の付録になっていた『しんびようプラス』『みわく』を熱烈に探求いたしております。「あそこなら持っているんじゃないか」「〇×△という古本屋に譲っちゃったよ」等々、どんな小さな情報でもお知らせいただければ幸甚に存じます。勿論「持ってます!」という場合には、文字通り「誠実評価・高価買取」いたしますので、どうか皆様、ひとつよろしくお願いいたします。

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