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09/02/07 混乱のなかにも進むあれこれと、混乱のなかで買ったもの 


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ゴードン・クレイグ著、1899年発行『A BOOK OF PORTRAIT』。多色刷り木版画19点で「ドラキュラ」のモデルとなったヘンリー・アーヴィングとシェークスピア劇で活躍したエレン・テリーの両名優を描く。

■今週は、とてもうれしいことがひとつありました。今回のリニューアルにあたって開設いたしました「text」のページが、いよいよ4月より始動いたします。「text」のページでごく大雑把な予告をいたしましたが、今年、奇しくもパリでの初公演から丁度100年にあたるバレエ・リュス」の日本における受容をめぐり、沼部信一先生に大変貴重なご論考をお寄せいただけることとなりました。内容については私の拙い説明ではお伝えしきれませんので、夙に知られる先生のブログ私たちは20世紀に生まれた」(2009年2月5日付)で是非ご覧いただくとして、ご発表いただく場が小店のHPの片隅などでいいのか未だに半信半疑、いかにもバランスに欠けるこのご連載に至る経緯については小店の歩みとも連関していることから、いずれまた私も明らかにしておきたいと思います。ともあれ春には待ちに待った、心躍る連載のスタートです。みなさま、どうかお楽しみに!
さて、恒例の今週の新着品です。1899年、ゴードン・クレイグ著『A BOOK OF PORTRAIT』。この本、以前に一度だけ扱ったことがあるので、過去の小店カタログを見返してみると、そちらは昭和2(1927)年に発行された「丸善覆刻叢書」。今回の入荷品にはそれと知れるような記載は全く見当たらず…こちらは元版と見て間違いなさそうです。著者であるゴードン・クレイグはイギリスの舞台演出家で版画家としても活躍したというから異色の人。しかしそこは舞台人らしく、この本は、当時英国随一とうたわれたヘンリー・アーヴィングとエレン・テリー-エレンはゴードンの母親、アーヴィングはブラム・ストーカーの「ドラキュラ」における人物造形にインスピレーションを与えたといわれます-


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毎日新聞社が発行していた対外広報誌(年鑑・グラビア誌)『JAPAN』。裏表紙は「JUNZO ITO(=伊藤順三)」の署名のある満鉄の広告。

の舞台姿や素顔をモチーフとした多色刷り木版画19点から成っています。ゴードン・クレイグは世紀初頭より20世紀の新たな演劇理論を探究しようとした演出家のひとりですが、舞台美術も手掛けたというクレイグの木版画は無駄のない線、効果を考えてたっぷりとられた余白など、どれをとっても高度にデザイン化された非常にモダンなもので、1899年という時代を全く感じさせません。ニュアンスに富む色味や、木版による繊細な陰影などはとうていデジタル画像でお伝えしきれるものではなく、是非、現物を手にとりご覧いただきたい一冊です。
■一転して『JAPAN』毎日新聞社発行の大判の対外広報誌で年鑑として出版されていた内の4冊を落札。いずれも写真を大きく扱うグラビア誌の体裁をとり、テキストは全て欧文。画像はその内の「1929-30」年版です。1929年といえば昭和4年。前年には満州某重大事件と呼ばれる確かに重大な事件があり国内では治安維持法が改正、というか改悪され、キナ臭い時代を迎えていたわけですが、キナ臭い時代であればある程フタをしたいのは今も昔も変わらぬ心理、諸外国へ伝えたいニッポンはといえば、毎年世界から各界の賓客を迎え、著しい経済発展を遂げ、子供の教育に力を注ぎ、固有の繊細かつ美麗な文化を持ち、豊かな風土に恵まれ、一方で頼もしくも勇ましき天皇の軍隊をもつ、ああなんと素晴らしき国よ!-ということが様々な写真を駆使して毎年毎年繰り返し謳われ続けたことがよぉーく分かる証拠物件です。ところで、画像右は同誌の裏表紙なのですが、この雑誌、毎号裏表紙に満鉄の広告をカラーで掲載しているところがミソ。満鉄のポスターを多数手掛けた伊藤順三 = JUNZO ITOの署名のあるこの広告は、数年前に一度、古書市場にポスターの姿で現れた広告と同じ図案で、毎号ポスターがリサイズされて使われていた、という仮説もあながちハズレていないような。満鉄ポスターのお値段と比べて確実に一桁、ヘタすると二桁近くお買い得なこの雑誌のこの点に気付いておられる方は、どうもまだそう多くはない…ように思われます。今週はこの他、万国婦人子供博覧会見学記を含む子供の作文集だとか、「これは面白いかもっ」と思い込んでしまった絹本扁額だとか、どうにも簡単に説明できないようなものばかりの入荷となりまして。移転に向けて混乱するアタマの中が、新着品の混乱にまで及んだものかと。今後の大仕事まで危ぶまれかねない新着品は、土曜日に店に入ります(……笑えることだけは確実なんですけどねぇ)。
 ■といった混乱のなか、とりあえず移転先を求めて、表参道の路地裏を歩くのもまた仕事のひとつとなりました。今週は不動産屋さん2軒に探究を(というと何だか本のことみたいですが)依頼しておいて、物件1軒を外から眺めるも決定打に欠け、もう一軒は店舗不可と判明…とまぁ長期戦覚悟の探し物です。今後も動き(よりも多くは悩み、たぶん)について短くご報告させていただきます。どうか温かくお見守りくださいますよう…。

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