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09/05/23 “勝手にディアギレフのバレエ・リュス週間”に突如現れた公式パンフレット11冊入荷 !


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左は1920年のパリ・オペラ座公演公演、右は1923年パリのゲテ・リリック劇場での公演のそれぞれ公式パンフレット。左の表紙はホセ=マリア・セールによる衣装デザイン画で、この公演のパンフは1部のみの入荷。右の表紙はピカソによる舞台美術デザイン画で、こちらは3部・3回公演分の入荷。

■このページをチェックして下さっている方はすでにご承知の通り、今週5月19日、ディアギレフのバレエ・リュスは誕生から丁度100年を迎えました。19日未明には、沼辺信一氏による貴重なご研究の賜物である「日本人とバレエ・リュス」-まだお読みでない方、「text」のページをクリックして是非ご覧ください -アップ、その同じ日の昼から今度は神田の古書会館で開催された「洋書会大市」というのに私も出掛けてまいりました。どこかで誰かが見ているのか、単に小店がカモられてるだけか、いや素直に偶然と考えるべきか。何とも狐につままれた心地がするのですが、出ました。誕生から100年目のこの日。日本の市場に。あり得ない。なのにある。「ディアギレフのバレエ・リュス」の公式パンフレットが。しかも11点もまとまって。正確にいえば5種で11点、3種についてはそれぞれ3冊ずつの重複が含まれています。同じものばかり買って売れるか。今までだってほっとんど売れた試しないし。しかも11冊って一体いくらになるのよ。でも100年目のその日だし。昨日ご連載をスタートしたばかりときては。なぜだか私は市場に居るし。目の前にはパンフレットがあるじゃないか。ディアギレフも絶対に目を通したはずの印刷物が。「買わないという選択はあり得ないでしょあなた。」「そうですね。はいはい。」 何度札を改めたのか分からなくなって、最後には「最終です」なんてわけ分かんない但し書きを書いた札を入れ、待つこと暫し。四枚札の天辺で落札。ううむ。ある意味できすぎ。
実はこの11冊、これとは別に戦前のフランスで公演されたクラシック音楽のプログラムやペラペラのチラシまで結構な数を含むもので、仔細に眺めるとどうも“ウブだし”、つまり実際に当時フランスに居て、それらを見てきた人がまとめてとっておいたものがいまになって出てきた、という感じがしてなりません。で、バレエ・リュスのパンフレットの3種各3点。落丁を確認していて初めて気づいたのですが、同じと見えて実は同じではなく、全て公演の日にちと演目が違うではありませんか。つまりこの旧蔵者、1回の公演で3回通った…って、こんな人が本当に居たんだろうか。相当高額だったと仄聞するチケット代を考えると、やはりそれなりの人だったと思うのですが。


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左は1924年のパリ・シャンゼリゼ劇場の公演、右は1926年パリのサラ・ベルナール劇場での公演のそれぞれ公式パンフレット。左は表紙の他、中面4Pがリトグラフ。右の表紙はピカソによるスケッチ。2点とも内容に異同のある3冊の入荷。

上の画像左は1920年のパリ・オペラ座公演のパンフ。この公演では「ナイチンゲールの歌」「プルチネッラ」「女のたくらみ」が初演となり、表紙は「女の~」のホセ=マリア・セールによる衣装デザイン画、中面からは「プルチネッラ」におけるピカソの舞台美術とレオニード・マシーンのスチールのページです。その隣は1923年パリのゲテ・リリック劇場での公演のもので、ストラヴィンスキー音楽による「結婚」が初演特報チラシの挟み込みにはウブだし感(?)がたっぷり。この時のパンフレットは以前にも扱っていますが、それに比べてページ数減、紐飾りがなく最初から針綴じ等の違いがあり、パンフレットにはもしかしたら贅沢版と廉価版があったのか? 他にも子細に比較すれば一冊毎に広告の入り方が異なるものまであり…実はバレエ・リュス、資料としての印刷物についても、どうもまだまだ謎は残されているようです。
■画像2点目も続きます。左は1924年のパリ・シャンゼリゼ劇場の公コクトー作、ダリウス・ミヨー音楽、そしてシャネルが衣裳を担当した「青列車」がこの公演での初演中面4Pのリトグラフは同作で美術を担当したアンリ・ローランスによるものか。こちらにはバレエ・リュス関連書籍のチラシ二種の挟み込みも。右は1926年パリのサラ・ベルナール劇場での公演パンフレットで表紙はピカソ。ブルーナの美術がディアギレフには不評だったらしい「パストラル」と、サティ作曲・ミヨー編曲、ドランが美術・衣裳を担当した「ビックリ箱」が初演。この公演の初日は、前年に亡くなったサティに捧げられたといいます。こちらには、内容の異なる当日のプログラム二種の挟み込みと、変更された演目の書き込みが残されています。この他、1923年のフランス女性音楽家協会によるチャリティー公演、ルビンシュタインやパブロ・カザルス、アルフレッド・コルトーといった錚々たる名前・写真が並ぶ芸術祭などの公式パンフレット、「プリンス・イゴール」公演(残念。シャリアピンに非ず)のチラシ紙ペラや、小さな公演の小さなプログラムがたぁーんまり、などなど……。問題は、これらの中に、どんな痕跡や脈絡を見つけるか、という点にあり、旧蔵者は一体何者なのか。来週はこの線を何とかたどってみたいと思います。今週はこの他、『20ans』他1950~60年代のファッション洋雑誌約30冊、同じく『seventeen』約40冊など、久しぶり、ほんっとぉーに久し振りの洋雑誌・戦後分が大量入荷『イタリア文様集』はとんでもない大判でへたをすれば腰痛を招きかねず、いやいやまだまだ戦後日本美術関係資料ペラもの・薄冊ばかり4本口、その他マックス・エルンストのドイツ語版初版の再入荷に各方面洋書等全部でカーゴ2/3台分が新入荷。雑誌の一部は7月の企画展 - 実は、準備中なんですこれがまた - での販売も考慮中ではありますが、ご希望の方は是非一度ご来店くださいませ。カーゴ2/3台分のペラと雑誌の整理がいつ終わるものやら、しかし市場の支払いは待ったなし……勝手にバレエ・リュス週間は、こんなところばぁ~っかりディアギレフにならって、小店もまた尾羽うち枯らす結果と相成りそうです。

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