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09/06/20 フルクサスの歴史性 ! と バレエ・リュスの今日性 ?


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『FLUXUS (Newspaper) NO.MARCH,1964』。日本の日刊新聞に近い大判の4P。リプリントではなくオリジナル。  

■五反田の古書会館内に借りていた倉庫を引き払い、カーゴ2台分の本・紙・その他諸々を赤帽に積み込み、先ずは自宅に一部を積み下ろす。玉突き状態で自宅からはみ出した物品を積み増しして店に全部を下ろす。その足で今度は店から目黒のジェオグラフィカさん納品分を積みこんで目黒に移動、納品・陳列……かくして移転に向けて最初の「長征」を終えた日月堂より、今週も新着品のご紹介です。先ずは『FLUXUS (Newspaper) NO.MARCH,1964』、ここ数カ月では久しぶりに現代的な新着品であります。フルクサス・ニュースペーパーの第3号で、リプリントではない正真正銘のオリジナルである、ということも判明してしまう優れた資料 - 2004年から2005年にかけて「うらわ美術館」で開催された「フルクサス展」の図録 - によれば、“迅速にかつ安価に発行の可能な媒体として、一時はFluxus 1に代わるものとして制作された”のだとか。話が前後してしまいますが、オリジナルとリプリントとで異なるサイズまで、この図録によって確認できます。ついでなので第3号についても図録からひっぱると“編集から(ジョージ)ブレクトの名前がなくなり、4面に彼のRiver Waxのコーナーが設けられている。2面、3面は見開きで、フルクサス・エディション、フルクサス・コンサートを告知。他にフリントのテキストやヴォーティエのHolesなどを掲載”と実に簡潔にして要を得ております。解説とはこうありたいと思います。ジョージ・ブレクトはフルクサス初期の主要メンバーの一人で、その名前はあのブレヒトからとられたものだとか。19世紀末から大戦期まで、分離派に始まって未来派もダダも、ロシア構成主義もシュルレアリスムも、バウハウスやデ・ステイルも含め、芸術分野に新たな側面を付け加えてきたのは常に分野横断的・越境的(国際的)な運動体だったのではないかと思います。フルクサスはそれらの正嫡にして、20世紀最後の運動体だったのではないかと、とすれば、運動体の代わりに「全体」ばかりが物事を動かす今日にあって、フルクサスもまた既に十分過去、歴史の向こうの存在、ということになりましょうか。


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『COLLECTION DES PLUS BEAUX NUMEROS DE COMOEDIA ILLUSTRE ET DES PROGRAMMES CONSACRES AUX BALLETS & GALAS RUSSES DEPUIS LE DEBUT A PARIS 1909-1921』。画面中央が細工の施された表紙、左は1909年初演時のコメディ・イリュストレの表紙現物の貼り込み。モノクロではよく目にしていた右の有名なニジンスキーの写真は赤で刷られていました。

こちらもまさしく運動体。またしても、の、ディアギレフのバレエ・リュス関連。しかし何故またこうも毎週マイシュウ……という話はまた来週にして、今週入荷したのは1922年に刊行された『COLLECTION DES PLUS BEAUX NUMEROS DE COMOEDIA ILLUSTRE ET DES PROGRAMMES CONSACRES AUX BALLETS & GALAS RUSSES DEPUIS LE DEBUT A PARIS 1909-1921。この長い長いタイトルが全てを物語っているのでしょうが、要は1909年の初演以来1921年まで、年毎にバレエ・リュスのパリでの活動や演目の概要を紹介して、あとは毎年毎年『コメディ・イリュストレ』誌とバレエ・リュスの公式プログラムからいいとこ取りして一冊にまとめた分厚い豪華本、ということになります。この本の場合、いいところ取りというのはプログラムや雑誌の表紙、記事や写真図版の現物そのものを貼り込み、綴じ込み、年度によってはプログラム丸ごと収めるという椀飯振舞、手彩色の施されたピカソによる衣裳画2点まで綴じ込まれております。コレクターズ・アイテムとしては大いにありだけれど、何だか軽薄な本? と、正直いって少々甘く見ておりました。ところが。何しろあのニジンスキーが“当時の元版”でこんなに沢山出てくる本・冊子類というのはそう見当たらず、おそらくバクストの舞台・衣裳に関する仕事を一冊で最も多く、しかもカラーで見られるのはこの本であり、浅薄な私はそのことによって漸く、バレエ・リュスのもたらしたインパクトにバクストの才能が大きく寄与していたであろうことに思い至った次第です。この、在庫の再利用という極めて現代的なエコの発想で作られた豪華本の刊行前年、ディアギレフは「眠れる森の美女」でこれまた極めて今日的な経済的破綻の憂き目に会っております。エコと経済。バレエ・リュスったら、フルクサスより今日的かも。冗談はさて措き、今週はこの他、芝園館を中心とした戦前の映画館の週報1袋分、『ヴィオネ』、図録『MOMENTS DE MODE』、京都服飾財団発行『DERSSTDY』等ファッション関係書籍・資料60点超、短命に終わったけれども高名な雑誌フレアをこれまたいいとこ取りして復刻合本した『The best of Flair』などが店に入ります。また、ジェオグラフィカさんには新規商品投入完了、小店隣室で7月スタートの企画展については来週お知らせいたします。こちらも併せてよろしくお願いいたします。

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