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09/07/25 モダン都市を描くフランス・マゼレールの木版画絵物語、3年ぶりの入荷  前衛バカ ? 山口勝弘30年の全て 海ねこさんの6日間・残りは4日急がれたし


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小店隣室に現れた「古本 海ねこ 6日間限定ショップ」の風景より。商品セレクトもディスプレイも什器も海ねこさん世界を是非お楽しみ下さい。

■小店隣室で7月21日(火)にスタートした古本海ねこさんとそのお仲間の皆様による「古本 海ねこ6日間限定ショップ」、連日たくさんのお客様で賑わっております。残る会期は25日(土)、28日(火)、30日(木)、8月1日(土)の四日間[各日12時~20時・最終日は17時閉場]のみ、どうかお乗り遅れなく! 海ねこさんのお店で一層の混雑が予想される週末には、相変わらず閑かな小店を一時退避所としてご利用下さい。あっ。押し売りだけはいたしませんのでご安心を-しかし、「だけ」って一体何?

絵本のことなら海ねこさんへ、大人の絵本は小店へ、というわけではありませんが、いやいや久しぶりに市場に現れました、フランス・マゼレールの木版絵物語。調べてみると前回の入荷は2006年の5月で実に3年ぶり。本日入荷となったのは『DIE SONNE 63』と『MEIN STUNDEN BUCH 165』の2冊で、ともに1927年ドイツで発行されたものです。


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今回入荷したフランス・マゼレールの木版画絵物語2冊の内、『MEIN STUNDEN BUCH』より。右上は表紙。左上見開きが当書物語のスタート、下見開きが物語のゴール。図版は全て木版刷り。

いまでは知られることの少ないフランス・マゼレールですが、戦前は日本でも、その図版が左翼美術や諷刺画などにさかんに参照され、柳瀬正夢などに大きな影響を与えたといわれます。一片の言葉も添えることなく、ダイナミックな木版画の描線だけで展開される物語は、言語を超えて多くの人に読んでもらおうという発想でしょうか。マゼレールの描く物語の多くは、作品誕生当時の時代を反映して、都市を巡る冒険、そこでの享楽的な生活とそこからの遁走、そしてその末に訪れるちょっと皮肉な結末を描き出します。飛行機、汽車、自動車、工場、カフェ、狭いアパートの一室等々、マゼレールの描いた都市を彩る多彩な記号のなかでも、とくに摩天楼と雑踏を描いた図版はどれもさすが。タイトルに記載された数字、今回でいうと「63」と「165」がそのまま、物語の始まりから結末までコマ送りのように展開される木版画の点数となっていて、その構成力もなかなかのもの。考えてみるとマゼレールという人は、木版によってストーリー漫画を作っていた、ともいえそうですね。念のために申し添えておくと、書籍の図版は全て実際の木版画が使われています。どのページも強く均質に刷られた黒がとても印象的な木版画は、是非実際にご覧いただきたいところです。また、今回入荷したマゼレールによる刊行物では、巻頭に文学者による比較的長いテキストが添えられるのがお約束で、『MEIN~』ではトーマス・マンがその任にあたっています。

■年内に、といっていた自店目録発行は店の移転にかかる精神的・肉体的負担次第…と雲行きが怪しくなってきておりますが、買うべきものだけは買っておりまして、今週はこんなものを落札。1981年発行『作品集[山口勝弘]360°』(初版)、プラスチック・カバーと筒函の付いた完品です。


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1981年発行『作品集[山口勝弘]360°』(初版)、プラスチック・カバーと筒函の付いた完品。左はプラスチック・カバーに収めた状態の本体だが、実際にはテレビ画面の部分に模様があり、もう少し立体的に見える。見開きは山口の手掛けたプロジェクト、大阪万博における「三井パビリオン」とせり上げ回転式展望装置。

実験工房活動開始の1951年から発行当時までの30年間に山口勝弘が手掛けた作品、プロジェクト、展覧会、そして仲間たちとの行動の記録だけあって、協力者には秋山邦晴、北代省三、大辻清司、石元泰博から草月出版編集部、西武美術館、東京画廊まで錚々たる名前が並び、ビジュアル中心ながら参考図版のみならず作品データ、展覧会リスト、文献目録など資料も充実。作品についてはヴィトリーヌ、スライド、立体作品、ヴィデオ・アート、プロジェクトなどにまとめられており、改めて通覧してみると、山口勝弘という人の先端メディアへの取り組みの早さに気付かされます。筑波大学教授時代の印象から、山口勝弘=破たんの少ない理論家・洗練された人、というイメージが刷り込まれていた私は、今年3月、朝日新聞で連載された「前衛バカ伝説」で山口現在の姿を見て衝撃を受けたものです。その姿、むろしあのダダカンに近く紛うことなき前衛者。当書所収の多くの図版から、今回は思わず大阪万博で山口が手掛けた「三井パビリオン」のせり上げ回転式展望装置の図、をとってしまいました。山口によるスタイリッシュな近未来空間の外、岡本太郎の太陽の塔の下を、ダダカンが裸で駆け抜け……って大阪万博は前衛バカの祭典だったのか!  さて、先週までに続いてバレエ・リュスの公式プログラム1920年分といきたかったのですが、今週はこれで上限3点のため次回に。今週はこの他、柳澤健『世界図絵』等藤田嗣治装丁による書籍4冊イヴ・サンローラン装丁によるフランス詩の翻訳シリーズ8冊、『郷土詩論』他戦前戦後の詩書9冊などが入荷。遅れに遅れておりました図録、建築、人文系等図書関係データのアップも、今週漸くファッションと展覧会図録あたりから再開し始めました。ご高覧いただければ幸いです。

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