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10/03/27 「バレエ・リュスと日本人たち」ご連載第11回アップ ! ベルリンでの青春も終幕、一方牡蠣を追いかけ欧米行脚する男ひとり、料理書はフランスから、イタリアのフォトモンタージュは必見 (…何が何やら)


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牡蠣の養殖技術開発に功績を残した妹尾秀実旧蔵、欧米渡航のスクラップ帖。渡航各地で面会した人物などからは、資料的意味あいが読み取れる可能性も。日時・足跡順ではなく紙片の種類別に几帳面に整理されているため、エフェメラ・コレクションとして見ても魅力的。

■昨日・3月26日(金)付で、沼辺信一氏によるご連載「バレエ・リュスと日本人たち」の第11回をアップ(→ここから)いたしました! 2月末より、ほとんど“週刊”ともいえるペースで書き継がれてきた「ベルリンの青春」もいよいよ最終章。イサドラ(イザドラ)・ダンカンが若き日の4人の日本青年に何をもたらしたのか - 日本の芸術家たちのスタート地点が、その後のダンカンの悲劇的人生のスタートと重なるかのようにして終わる見事な幕切れとともに - どうかみなさま、是非ご高覧下さいませ!
山田耕作、斎藤佳三、伊藤道郎、そして小山内薫がベルリンで青春の日々を送っていたのとちょうど同じ頃、欧米各国を訪れた日本人の残したスクラップ帖が奇しくも今週の新着品の1点目となりました。この手の記録、よくよく見ているうちにどのような人物がどのような目的で渡航したのか、大枠のところならたいていはつかめるもの。このスクラップ帖も眺めているうちに分かるはず …… ややや。何だこれ。分からない! 鉄道等交通機関のチケットと名刺とで貼り込まれた紙モノのほぼ90%、それだけならまだしも、旧蔵者が - 美観の点からか、もっと具体的な整理目的があったからか - 時系列を完全に崩して再構成しために、本来見えてきてよさそうな道筋がブチブチ切れていて見えてこない、というのがその原因。ここまで手掛かりがつかめないというのも珍しい。あっちを繰りこっちを繰りしてはっきりと確認できたのは、概ね1912年から1914年までの間の欧米各地の渡航記録であることと、旧蔵者の名前が「Seno Hidemi」と目されること、くらい。アメリカ各地で新聞記者と会い、モナコではカジノで遊んでるし、何の博士かは分からないもののDr.の肩書の名刺が多く、何だか渡航先の日本人の歯科医師の名刺も複数あるし、歯でも悪かったのか牡蠣ばっかりよく食べてるなぁ - って、いったこれのどこに脈絡があるというの! こりゃ単なる道楽渡航としてでも片付けるしかないな、と思いつつ、ま、念のために「セノ(オ) ヒデミ」で検索してみよ。


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左上は背と表紙平。無刊期だが、1909年発行分と同じ装丁。その下・見開きは鴨、鳩、若鶏のロースト時の鳥別肉のたたみ方(=処理法)の図解。品種によって微妙に異なる。右上・見開きはテーブル・セッテングとサービスする順番を示した図解。個別の皿が用意されるロシア式。その下、エドワード・ゴーリーの絵本にでも出てきそうな鳥が並ぶ図は“ひばり”のローストの下準備。とてもかわいい。だが、実は串刺しの図。

………と ! これが !! 分かってしまったというIT革命おそるべし。旧蔵者は妹尾秀実という人で、 「いかだ式垂下方式」とかいう養殖技術の開発で牡蠣養殖の繁栄の基礎を築いたひとりだということで、斯界では名の通った人物らしく。1913年、芸術を求めて海外に渡った者が居たかと思えば、ひたすら牡蠣のことを考えて欧米を訪ね歩いた者がいたという、そのことだけでももう十分面白いものを見せていただいたような気がします。最初は「余計なことを」と癪のタネだった紙片の再構成も、こうして見るとなかなか美しく「やはりこれでなくっちゃ」と思えてくるから現金なものです。しかしながら、冗談ではなく、エフェメラの集合体として見ても十分魅力的な一冊となっていること、間違いございません。
■しかし牡蠣ですか。牡蠣とはねえ。あまりに無縁。いつもこのページをご覧のみなさまみはそうお思いかと拝察いたします。ところがどっこい。お次は料理書につながるという小店の幅広さ(ほんまかいな)。『La Cuisiniere Cordon blue de la Famille』(=コルドン・ブルーの家庭料理)。いうまでもなくフランスで発行された料理書。刊期の記載がないのでAbebooks.comで調べてみると、どうも1909年初版発行と同じもののよう。著者はAnnette Lucasという人で、日本では料理学校名として夙に知られるコルドン・ブルーという言葉ですが、フランスでは美食を指す言葉でもあるようで、タイトルはむしろ後者から採られたものではないかと推察します。それにしても何故に小店が料理書を扱おうというのか。その理由は是非、画像をご覧下さい。実は料理書、道具ゴム印やら印刷物やらにするとカワイイだったりヘンだったりオモシロイだったりする図版の宝庫で、例えば画像でもご覧いただける鳥のたたまれ方(?)やしばられ方ひとつとっても鳥の種類別にいくつもいくつもあり、しかもいずれもトボケたい~味出してます。図版の種類は調理道具からあらゆる肉類各種(ウサギ、カエル含む 。さすがフランス)、魚介類、菌類はいうに及ばす、テーブルセッティングに盛り付け方にと536頁に220図を収めたこの料理書、どのように料理するかはお求めいただいた方次第という、二重の意味での料理書であります。はい。


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ページによってムッソリーニの言葉が添えられる1938年版ダイアリー・ノート。バランス感覚が不思議な前衛的フォト・モンタージュ多数。余白部、日付部分などレイアウト・バランスは絶妙。表紙は総革装、見返しはシルク生地を使うなど、贅をこらしたつくり。

■牡蠣にも鳥の串刺しにも関係なく、本来ならこちらが小店の本流であるべきであろうと本人も多少は自覚はしている今週の3点目。『REGIO ESERCITO ITALIANO』は扉に「CALENDARIO DEL REGIO ESERCITO Anno 1938」と記されており、つまりは「偉大なるイタリア軍の1938年カレンダー」、1938年のスケジュール兼ダイアリー・ノートです。A4判の縦を短く幅を広くした比較的大判で、表紙は本革装・銀箔押し、見返しはモワレ柄のシルクで両端に銀彩、ダイアリー部分全頁にコロタイプ印刷による写真が入った非常に贅沢なもの。写真はフォト・モンタージュ、コピー、エブラシ修正など、ここまでやるかという合成と修正が重ねられ、しかも戦時下にあってこの国だけは歩みを止めることのなかったアヴァンギャルドな表現多数。プロパガンダといえばナチス・ドイツ、革命後のロシア、そして日本の東方社、日本工房と、すでに眼のゆき届くようになった現在、しかしまだイタリアにまで眼を配っている方はあまり多くないようで、この辺り、小店としてもまだまだ勉強の途上でありますが、正直にいってイタリアもの、少なくともナチスよりはずぅーっとセンスがよろしいのではと思う次第です。今週はこの他、「オマージュ 瀧口修造展」を多数含む佐谷画廊等図録11冊一括、美術展覧会の芳名帖3冊、コラージュに最適の古い古い紙の黄ばんだ楽譜類がダンボール1箱、などが新入荷。そして大モノ1点につきましては画像をとるのに一苦労、なので来週改めてご案内させていただきます。

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