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10/04/03 豪華客船クイーン・メリー号に乗って伊藤銃次郎氏再登場 ピカソ&ムルロー工房のリトグラフ・ヴィンテージポスターも入荷


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左より 日本郵船&キュナード「SOUTH AMRRICA」は1934年12月・秀英舎印刷/「Information for Passenger」1935年11月・凸版印刷/「同」1936年12月・築地活版 右下 日本郵船「Holy Mass」1935年・文祥堂 右上 大阪商船「バンコク丸・サイゴン丸」英文パンフレット

■今週はこれが二度目の更新 - というと「?」とか「!」とか思われる方もいらっしゃるかも知れません。一昨日の4月1日「バレエ・リュスと日本人たち」の第12回をアップいたしました。4月1日、つまりはエイプリル・フールにちなんでタイトルは「嘘から出た真実」で主人公は伊藤道郎。未読の皆様には是非こちらでお読みいただくとして、「嘘つきミチオくん」についてはもうひとつ、沼辺信一氏の同日のブログ(こちらから是非)もお読み逃しなく。これがまた面白い!面白すぎる!!こと請け合いです。
先週最後に予告めいたことを書いた「大モノ1点」は、店に届いたのを改めて確認してみると決定的な瑕疵があり結局返品となりました。ここでご紹介できなかったのが残念ですが、気を取り直して今週の新着品です。最初は戦前の海外旅行・客船関係の印刷物。カッサンドルかポール・コランかというデザインの大阪商船「バンコク丸・サイゴン丸」の英文パンフレットが1点、まず目にとまってこれだけでも買う価値ありかとよく見れば中面に欠けがあり、むむむ他のでは弱いかと思案しながら見ていると日本郵船関係があり、いやいや「クイーン・メリー号」もあるゾ、というのでとりあえず入札。そう強い札ではなかったので落札は無理かと思っていたのが落ちてきました。初見のものは多いけれど地味な印刷物が多く、それほど期待しないまま詳しく見れば - 日本郵船の、欧文本文組のみの、地味な印刷物には「キュナード・ホワイト・スーター」のクレジットがあり、日本郵船がキュナード社に供給していたものと思われます「Holy Mass at Sea」は船上でのキリスト教・カソリックの礼拝のご案内で、龍田丸での礼拝風景の写真も印刷されています。なるほど。長い船旅、しかも外国人を乗せるとなると、確かにこうしたサービスも必要ではありますねぇと初めて気付かされる始末(キリスト教以外はサービスなしか…? という疑問は残りますが)。


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キュナード・ホワイト・スター・ラインの豪華客船「クイーン・メリー号」の乗船名簿。1936年10月14日の日付入・伊藤銃次郎旧蔵。画像茶色に見える表紙のタイトル、エンボス、飾りなどは全て金箔押し。

さらに。キュナードに提供していた印刷物のうち小冊子1冊は築地活版製造所、もう1冊は凸版印刷、「Holy Mass ~」は文祥堂、「N.Y.K. SOUTH AMERICA」は秀英舎(ここまで画像参照)、もう1点、やはりキュナード社名入り・フルカラー印刷の宝船が表紙を飾る「ORIENT-CALIFORNIA SERVICE」は光村美術印刷 …… と戦前日本の印刷並びに欧文組版の、おそらくは当時海外に出しても恥ずかしくないレベルの見本が揃い踏みしたといった感があります。それにしてもこれまで日本郵船の紙モノで印刷所を意識してこなかったのは何故だろう …… というのは明日、店で他の日本郵船関係印刷物を再度確認してからのお話、確かなことはいま暫く宿題とさせていただきます。
■で、そのキュナード・ホワイト・スター・ラインの誇った花形客船「クイーン・メリー号」関係印刷物が画像の2点目。左端のかわいいイラストは船便・航空便等バゲッジ・サービスのご案内。中央と右端はエンボス金箔押し船の姿表紙にあしらわれた乗船名簿で日本郵船の乗船名簿では孔版が多く見られるように思いますが、こちらは活版。出港の日付も入っていて1936年10月14日。ややや。この年のクイーン・メリー号については最近どこかで書いたゾと思い出し、たまたま目録にするために持ち帰っていた伊藤銃次郎氏の旧蔵品『欧米の思出』(当新着ご案内では本年2月6日付でご紹介)と比べて見ると - 何と。下巻冒頭に「昭和11年10月4日 ロンドンサザンプトン港ヨリクインメリに乗船渡米ス」とのメモ書きが。ならばと今回落手の乗船名簿をあたると、出港地はSOUTHAMPTON、そして名簿にMr. J.ITO Mrs.Itoの名前が。念のため、『欧米~』で識語署名を寄せた副島直正はと乗船名簿で確認すると数少ない日本人名のなかにCount M.Soyeshima と出てくるではありませんか。これでまず間違いなく、この1袋は伊藤銃次郎氏の旧蔵品、2ケ月を経てまたここに揃ったという次第。


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パリのギャラリーでの展覧会ポスター。手前は佐藤敬の1959年の個展。奥は1953年ピカソの近作版画展の際のもので、ムルロー工房の制作、版面に年号とピカソの署名入り。2点ともリトグラフ。

「嘘つきミチオくん」のあとだからねえ眉唾マユツバ、なんて思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、出品側も入札側も限られた世界でのこと、こうした偶然は全然あり得ることでありまして、むしろ私としましては、『欧米~』をつい先日たまたま自宅に持ち帰っていたことの方が驚きであったわけで。これにはいささか伊藤氏の意思といったものを感じさせられてしまうのでした。そんなものを感じてしまったからには、どうまとめて売るべきか。噫。それが問題。
■これまた妙なシンクロで、昨年末の「銀座 古書の市」の目録に掲載した佐藤敬のパリでの個展の図録と、もしかしたら対になっていたのではないかと入札したポスター『KEY – SATO』。佐藤敬のパリでの個展の告知用です、自宅に戻って確認するとギャラリーは同じですが昨年扱った図録は1961年、本日落札のポスターは1959年でむしろ一致していなかったのに安堵。ポスターはリトグラフで、ひとつの作品として成立しています。もう1点は1953年にパリの画廊で開催された『ピカソ 新作版画展』のポスターで、かのムルロー工房によるリトグラフ版面に署名と53の年号とが入っていることからも、ピカソ生前の初刷の一枚。小店には珍しい、由緒正しき作品、堂々たる美術の王道であります。で、こういうのに限って売れないのでありますウチの場合。今週はこの他、戦前の本ばかり60冊程の入荷。花に嵐の例えの通り、安定しない雲行きですが、例えいくら晴れようが、場所柄常に静かな桜の名所・青山霊園にお花見の折など、小店にもお立ち寄りいただければ幸いです。

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