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10/05/29 イタリア語に続いて今週はオランダ語に四苦八苦 - 幻のローマ万博の資料と機関誌『DE STAIJL』(デ・ステイル)


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幻に終わった「ローマ万博」の計画に関する公式資料。中央カラーの1枚は会場全体の配置を示す平面図で、その上右は会場全体模型を写した写真の紙焼き。右下はいまは「イタリア文明館」となっている建物の建設風景。専用封筒に6点を収めた一括。

■またしても、店の営業に関わるお知らせからとなります。来週金曜・土曜と小店の所属する東京古書組合・南部支部主催による「南部支部大市会」が開催されます。小店は入札だけですが、大量出品が見込まれることから土曜日も入札締切時間ぎりぎりまで入札を続ける可能性があり、6月5日(土)は14:30からの営業とさせていただきます。大変恐縮に存じますが、ご来店の折にはご留意いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。6月1日(火)、6月3日(木)はいつも通り12時から20時で営業いたします。
回を重ねる毎にご愛読者の増加を見ております沼辺信一氏「バレエ・リュスと日本人たち」。ご報告が遅れましたが、5月はお休みをいただきました。6月からはまた月刊発行(!)
を目指して、執筆者の頭のなかにはすでに構想も出来ていらっしゃるご様子。次回、第13回のアップまで、楽しみにお待ち下さい !
■目黒のジェオグラフィカさんのライブラリー・スペース占拠も、明日・5月30日(日)まででひとまず打ち上げ。お運び下さいましたみなさま、本当に有難うございます。5月31日からは以前と同じ1Fの右手奥のスペースへと戻ります。引き続きご愛顧のほど、どうかよろしくお願いいたします。
恥ずかしながら先週の新着品について訂正でございます。半分は投げ出す格好となった『PRIMA MOSTRA TRIENNALE DELLE TERRE ITALIAN D’OLTREMARE』ですが、ご同業の方から懇切なご教示をいただきました。正しい英訳名は『Triennial Exhibition of Overseas Italian Territories』で、さらにこんなサイトまで! 小店が書いたことなどすっぱりきっちりお忘れていただいて、詳細については左記サイトでご確認いただければ幸いです。そんな無責任な扱いをしておきながら、今週の1点目もイタリアものというこの無謀。誰か止めて。といっても誰もいない夜中の2時過ぎ。先に進みます。1942年に開催が予定されていたローマ万博に向けてイタリアの組織委員会が発行した資料集『ESPOSIZIONE UNIVERSALE DI ROMA 1942-XX』と金箔押しした封筒に、1938年12月の発行で、開催主旨を記した英文冊子『INVITATION TO THE WORLD』1冊、実施計画をビジュアル誌にまとめた『ESPOSIZIONE UNIVERSALE』1冊に、会場全体模型と建設工事風景を写した写真紙焼きが3点(内1点は現在の「イタリア文明館」の建設風景)、フルカラーによる会場全体の配置計画図(1939年発行の記載あり)1点の合計6点が収められていました。


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『デ・ステイル』誌の第6巻第9号。下右は当冊子の表紙、上は表2と本文1P目の見開き。表2に『パスモ』と『メルツ』の広告が見える。本文1P目左半分は奥付とドースブルフの作品の図版、右半分はドースブルフによる論考「モダニズムの死」(全4Pの冒頭部分)。組版から図版まで、実際には非常に端正でモダンな誌面となっている。

ローマ万博は、幻に終わった戦前の東京万博と同様、第二次世界大戦勃発で中止となりましたが、こちらはすでに建設が進んでいたため、現在もローマ近郊に「エウル」地区として計画の一部が現存しているのは周知の通り。ムッソリーニが1937年のパリ万博を意識して開催を決定したともいわれる1942年ローマ万博ですが、パリ万博開催と同じ1937年にイタリアは国際連盟を脱退、1939年には独伊軍事同盟を結んでいたドイツのポーランド侵攻によりイタリアと英米との関係も悪化するなか、ムッソリーニはローマ万博の遂行と成功を一体どこまで信じていたのか …… ひとつだけ確かなのは、美しく、力強く描かれたこれらの計画からは、弱気の虫など読み取れないというそのことです。
日本語も覚束なところにもってきて、全く歯がたたない英語、フランス語、ドイツ語の書籍を割と日常的に扱っているという時点でもうかなり大それたことだというのに。今度はオランダ語 …… 認識の甘さという点では、ファシスト党の党首を大きく上回ってます。こうした次第ですから以下の解説はあまり真に受けないのがよろしいかと。で、新着品2点目は『DE STAIJL  ZESDE JAARGANG 1924-1925 (No.)9』-オランダのライデン発祥、テオ・ファン・ドースブルフやピエト・モンドリアンらによる非造形主義芸術グループ「デ・ステイル」の機関誌『デ・ステイル』誌の第6巻第9号。巻頭4Pをドースブルフの「モダニズムの死」が占める他、ベルギーのタダイスト=クレマン・パンサールの「ことば-最後の権威に問うその未来」、無署名(ドースブルフの執筆か)の「アートの終焉-ネーデルランドに対抗して」と「シュルレアリス」、ドースブルフの「ガラスと鉛のコンポジション」など、本文は二段組みでわずかに8Pながら、内容は濃いいもよう。当号発行当時、すでにドースブルフとモンドリアンとの間で主義の相違による決裂を見ていたものか、当書についてはかなりの部分をドースブルフが執筆、また、タイトルから見て転換期を意識したような記事が多くなっているのも、ドースブルフの芸術観の変化を背景とするものではないかと推察します。表1にはワルシャワ、ライデン、ハノーヴァー、パリ、ブルノ、ウィーンの地名が印刷され、また、表1を除く表2~4はデ・ステイル関係の刊行物とともにクルト・シュビッタースの『メルツ』、カレル・タイゲが編集に加わっていたチェコの(ブルノを発行拠点とした)『パスモ』など、当時の欧州各国アヴァンギャルド系紙誌の広告が掲載されているのも興味深いところ。安い印刷代金と送料で世界各国の同志に手渡すために、この『デ・ステイル』のような体裁 - 当品に限っていえばB5サイズで表紙まわりを含めた総ページ数12Pというペラペラの薄い冊子 - はこの当時、本日日本発売となった今日の『iPad』と同等の意味を持っていたのかも知れません。今週はこの他、戦前のフランス文学を中心とした翻訳書23冊、イタリア・未来派の建築についてまとめた1990年限定500部発行の『ARCHITETTURA FUTURISTA』斎藤佳三が表紙を担当した4点を含む戦前の楽譜類が1袋これらが来週の火曜日に店に届く予定。そして活版印刷用の活字や飾りが少しですがすでにこんな感じで → 店に入って、一堂みなさまのご来店をお待ちいたしております。

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