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10/07/16 アンリ・ジル=マルシェ来日関係印刷物6点が入荷いたします。その他は駆足で (… 暑さと眠気に負けました)。


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上左より時計まわりに ⑤音楽文化クラブ主催・京都『講演とピアノ演奏 : フランス音楽の夕』 ①大正14年薩摩治郎八主催者・初来日公演ペラもの ④昭和6年慶応義塾主催『仏蘭西音楽の夕』 ⑥無刊期『ヂルマルシェックス氏 ピアノ独奏会』 ②薩摩治郎八執筆の『仏国洋琴家 アンリー ヂルマルシェックス』 ③昭和6年 音楽同好会発行『同好会パンフレット ヂルマルシェックス』

■先週アップを控えたのは、少しは調べがつくのではと楽観していたからなのですが。案に相違して資料に乏しいことが分かったアンリー・ヂルマルシェックスことアンリ・ジル=マルシェの来日公演関係印刷物。まごまごしていたために店に入れるのは明日からとなる新着品です。ヂルマルシェについては昨年、初来日時のパンフレットをこちらでご紹介いたしましたが、今回はこの時と同じ大正14年・帝国ホテルでの連続公演の際の異種2点を含む全6点。入荷分を時系列に並べていきます。①大正14(1925)年10月、薩摩治郎八が主催者代表を務めた初来日の際のチラシ様ペラ。チラシといっても薩摩プロデュースだけに贅沢なもので、B4サイズ、パンフレットに収められたデザインをベースにしつつも、追加した情報部分は色を変えて3色×2色の両面印刷で瀟洒に仕上げられています。裏面には大田黒元夫の写真・批評や評論家「ローラン・マニュエル」氏の藤田嗣治による肖像画とジル=マルシェ評も。同じく大正14年の初来日時、パンフレットより薩摩が執筆したジル=マルシェの長大な紹介文のみ抜き出したA5・6面の折り畳み印刷物。『仏国洋琴家 アンリー ヂルマルシェックス』と題されています。③昭和6(1931)年10月音楽同好会が発行した『同好会パンフレット ヂルマルシェックス』。小体ながら3段組・23Pでジル=マルのテキストやアルフレッド・コルトーの書簡の翻訳など内容充実。もちろん、4日間にわたって予定された来日独奏会及び演奏会と、文化学院主催で開かれた「音楽解釈についての講座」第1~5講の内容も。④昭和6(1931)年12月、慶応義塾主催『ジル・マルシェックス氏に依る仏蘭西音楽の夕』はB4二つ折りの独演会のプログラム。⑤昭和12(1937)年音楽文化クラブの主催で京都・華頂会館において開かれた『アンリ ジルマルシェックス氏  講演とピアノ演奏 : フランス音楽の夕』のA3二つ折りプログラム。


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サーカスのテントから人間と動物による出し物まで約30点、切り抜いて組み立てて遊べる絵本。20世紀初めのアメリカで発行され、カラー石版刷。色褪せや疵などほとんどない美品。極めて小店店主好みの1点。

⑥『アンリー ヂルマルシェックス氏  ピアノ独奏会』は無刊期、B5両面の番組一覧。松韻会主催・常盤会後援、会場が華族会館であることから、学習院関係筋で開催されたものと推測されます。ジル=マルシェの来日活動を見ていくと、当時の現代音楽がプログラムに積極的に取り入れられていること、多くの場合、演奏会とともに講演や講座が開かれていることが分かります。ジル=マルシェというピアニストは、単なる演奏家に留まらず、日本人にはまだ広く或いは深く理解が及んでいなかった西洋の音楽史・音楽理論の紹介者としての役割も果たしていたようです。一方、東京・馬込の「音楽同好会」や、京都の「音楽文化クラブ」 - この時の企画が「第三回事業」と記されています - かなりしっかりと活動していた様子を伺わせながらも詳細は不明。とくに音楽同行会の代表者・高野武郎という人は、『牧神』というタイトルだけでもそそられる雑誌に関係していた可能性があったり、巴里のエージェントと契約し - 「此度の演奏会もそのエイヂエントを通じて本会が斡旋」- 東洋での窓口なったり、「日本音楽家吉田晴風氏一行の訪米演奏旅行斡旋のため一行とともに横浜解纜浅間丸で渡米」するなど、この当時かなり華々しく活躍していた痕跡を残しながら、詳しいことは全く分かりませんでした。どうにも気になる人物がこうしてまた一人、増えてしましたというわけです。やれやれ。
どんどん長くなるこの紹介文をどうにかしたい。これじゃあ毎週眠れない、というか眠気との戦いが大変。しかも暑い。いやいや何より読んで下さる方にとってご迷惑。しかし…… と考えまして今週は苦肉の策、説明が短くてすむものをというわけで。2点目は簡単なものでまいります。『The FOLD-A-WAY CIRCUS』は切り抜いて・組み立てて・遊べる絵本。シカゴのREILLY & BRITTON社発行、デザインとパターンはWill Penteという人が手掛けています。B4サイズで遊び方や場面を記したモノクロページが3面、残り11面がカラー石版刷。無刊期ですが、20世紀初頭につくられたものと見られます。ちなみに海外のサイトで調べてみると、当品と同じ版元・デザイナーによる切り抜き着せ替え人形絵本というのが存在しており、こちらは1917年の発行。で ! とんでもない値段!! が付いているのには驚きました(いえいえ小店でそれはあり得ません。常識的なお値段で出します)。


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旧蔵者自作の和紙貼夫婦函に収められた布裂97点。函の蓋の側も布裂3点をあしらい、中身=97点の布裂は全て和紙を使ってブックマットのように仕立てられている。布裂は黄八丈、大島紬、絣などの上質なもので、柄ゆきや色味など伝統的・古典的なものが多い。

テントの幕や円形の舞台から始まって、団長、楽隊、売店等背景一式、そして各種曲芸師・動物等約30点の出し物まで揃っております。出し物の中には当時世界で喝采をあびていたチョンマゲ姿の東洋人による足芸も含まれておりました。ううむ。これも資料 か ? どうかはさておき、版元は異なりますがほぼ同時代の「乗り物ヴァージョン」と「着せ替え人人形ヴァージョン」もそれぞれ1冊・合わせて3冊の切り抜き絵本が入荷、どれもなかなか洒落てます。
■次もできるだけ短くまいりましょう。黄八丈、大島紬、紬など布裂のコレクション全97点を自作の函に収めたコレクション。布裂そのものの入荷は久しぶりです。年代の特定が難しいところですが、おそらく布裂自体も戦後に作られたものが多いようで、それもあってか97点全点、シミやキズ、色褪せや虫食いなどほとんどない非常によいコンディション。新しい、といっても安っぽいものは1点もなく、柄や色味などは伝統的・古典的なものが多くとられているので、このままの状態で保存できれば後々非常に良いコレクションになるでしょう。耳付き和紙を二つ折にして窓を開けたブックマット仕立て、数点を除いて布裂部分の大きさは13×7cm内外とこの手のコレクションとしてはサイズの点でも不足はありません。自作の函は夫婦函のジャストサイズ、内側まで和紙が貼られるなど丁寧につくられています。旧蔵者を同じくするコレクションはもう1点、「伊つ屋内」「御嶋手本」の筆書きが残る江戸末~明治初め頃のこちらはふっる~い縞帖とともに入荷いたします。縞帖もコンディション上々、ところどころ余白に墨で書かれた子供のような文字も魅力的です。
今週はこの他、大正~戦前の映画誌『映画往来』『映画研究』12冊、『ハイナー・ミュラー テキスト集』等芸術関係書10冊戦前東京関係書6冊なども明日には店に入荷。と、今週後半はようやく正常な長さで収まってくれました。来週はできれば全点この調子でいきたいものです。何しろ暑いのにはかないません。暑さ厳しき折、皆様もどうかくれぐれもご自愛下さいませ。

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