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11/08/27 みかん箱ひとつ分の究極 (?) のエフェメラ / 武満徹と河原温のあまり知られていない試みについて


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■暑かったり涼しくなったり、西に竜巻のニュースがあったかと思えば東をモーレツな豪雨が襲い、原発事故のお膝元では屋外活動を制限する放射線量基準値が毎時3マイクロシーベルトから1マイクロシーベルト未満へと改められ、事故から半年近く経った昨日になって、頭上を豪雨が行き過ぎるなかフクシマで放出されたセシウム137-半減期は30年…- は広島の原爆の168個分に相当するという関係機関の発表を聞き、立法のお膝元はと見ればこの期に及んでまた政局に明け暮れる体たらく、天地人いずれも乱れに乱れまくった状況が続いております。このHPの週一回の更新も随分長く続けてきましたが、私こと日月堂がいくら小心者かつネガティブ・シンキングの代表選手のような人間だといっても、飽きもせず何度も、かくも気鬱なご挨拶を書いた年は、さすがにこれまでにはなかったことです。こんな先行き不安のなかで本なんて買ってる場合か!-と思われるのはお客様ばかりではございません。私、一介の古本屋でございますが … いやいや。一介の古本屋でありますだけに、「本なんて買ってる場合かっ!」と思わぬでもなし。
というわけで、今週最もボリュームに富んだ新着品が、1点目の画像に撮った紙モノのヤマがみかん箱にびっしりひとつ分、1923(大正12)年の洋行で残されたガイドブック、カタログ、メモ帖、絵葉書、チケット、領収証など多様な紙モノと、解読にどのくらいの時間がかかるのかあまり考えたくないほど夥しい量の日本・海外間商取引に関する書簡と書類の類です。本買ってる場合じゃないゾ紙買うゾ。ふっふっふっ …… ってどこにどれ程の差があるのでしょーか。 むしろますます意味不明の在庫が増えただけだという気がしてきました。まずいです。
それはともあれ、画像はみかん箱からとくに目立ったものだけより分けて持ち帰ったもので → 女性の立ち姿の写真に見える見開きは、ロンドン「E.POLLARD社」のワックス・マネキンのカタログ。子供や紳士のマネキンやトルソもありますが、女性のフルボティのマネキンは表情まで含めたリアルさに驚かされます。機械を腑分けしたかのような図解と、それとは対照的なモダン女性のライフスタイルを描く優雅なカットとが配された冊子-全頁この調子でフルカラー印刷-は自動給湯機のカタログで、その上、壮麗な吹き抜けが描かれているのはシカゴの百貨店の総合案内クレディ・リヨネの小切手帖船上メニュー、切符やレシートという紙モノ好き、タイポグラフィ好きが最終的に行きつく先=本当の意味のエフェメラは、まだまだたくさん出てきそう。全体の脈絡から、今回はいくつかの筋にそってまとめる他、今度こそ、チケットやレシートなど一部をバラ売りできればと思っております。9月半ば頃までには店頭でご紹介いたしたく、整理がつくまでしばしお待ちを!


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■市場での入札で、薄い冊子類の4本口となると、1点でも多く商材化できるものがあるのに気が付いた者勝となるものですが、おそらくこれはほとんど誰も気付いていなかったのではないかと思います。という私もこればかりは落札してから存在を知ったのが画像中のグレーの素っ気ない紙ペラ。二つ折の表紙には「1  舞台実験室」とあるばかりですが、“実験”とついて舞台がらみとなると調べてみる価値のあるものに違いなく… 1958年当時の 同人は舞台美術・装置の朝倉摂金森馨、丸田道夫、建築彫刻家を肩書とする伊原道夫、画家の勝呂忠、加藤武利、照明の吉井澄雄、そしてこの年25才の河原温。中面に「舞台実験室第一回展」とあってグループ結成の主旨と、この年の3月から7月に上演される舞台作品全6演目が列記されています。この内、舞台実験室としての作品は7月の「発火 No.2」のみ、他は金森名で劇団四季の2演目、吉井名でやはり劇団四季の2演目と藤蔭静枝リサイタル、加藤名で劇団マスカラ(演劇集団マスカラ)、J.F.モダンダンスグループの公演が挙げられていることから、グループによる舞台制作にこだわらず、同人が関わる仕事の中から何らかの基準で選ばれた演目をグループ展の一環として位置づけていったものと推測されます。それにしてもこの「舞台実験室」なるグループ、グループ名で調べても、同人の履歴を見ても、ほぼ完全に黙殺されているように見えます。グループによる舞台制作に行き詰ったのか、内紛でもあったのか、はたまた地味にでも続いていたものなのか - 謎ばかりの集団ですが、いまならまだ、確認できる可能性も残されていますよ。
画像中、黒地に銀の表紙で「武満徹」とあるのは慶応義塾三田レコード観賞会による『第三回 現代日本音楽の夕 武満徹作品集』のプログラム。昭和44年、東京文化会館小ホールでの生演奏によるコンサートで武満作品6作を若杉弘の指揮、高橋アキ他の出演で開催。プログラムには巻頭に武満によるメッセージ、秋山邦晴による「曲目ノート」、柴田南雄、遠山一行の寄稿なども収められています。他の2点は武満、そして舞台実験室ともつながりのある劇団四季の公演プログラムから、上は1956(昭和31)年の『劇団四季第6回公演 愛の条件-オルフェとユリディス』装置を金森、照明を吉井、そして音楽を武満が担当、下の1979(昭和54)年『ひばり』のプログラムには武満が寄稿しています。劇団四季のプログラムについては、この他にも加賀まり子と北大路欣也が主演した『オンディーヌ』など、1950~60年代のものが数点入荷します。
今週はこの他、サーカス関係の洋書4冊-営業日案内の画像もご参照下さい-、ベルリンオリンピック開催中でドイツからのレポート多数を含む『国際写真新聞』8冊戦前南方紀行・関係資料書籍16冊挿絵入『萬国通商往来』など幕末~明治の和本7冊などが本日中に店に届きます。

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