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11/10/08 デザインに関する2冊 モダニズム時代の『現代産業美術』と和菓子の意匠・木版図集『あづま錦』


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■かゆみ、というのはそれ単体で済まないで、睡眠不足だとか集中力の著しい低下だとか、そうしたことによってもたらされる疲労だとか、いろいろと難儀なことになるもんだと思い知らされたこの一週間。蕁麻疹対策から かゆみ対策へと処方薬を転換してもらいながら、かゆみとの戦いは依然として続いております。薬を塗った首のあたりがラクになてきたかと思うと、今度は腕がかゆくなってたじゃぁないか。ポリポリポリ……なんてかいてないで書かなくちゃ。今週も新着品のご案内。ポリポリ。まいります。ポリ。こんな時なので。ポリ。できるだけ手短に。ポリ。できれば。ポリポリポリ。
B5判の上製、テキストは少し大きめ文字を横組みにして、厚めのコットン紙に印刷、各章毎に挿入する豊富な図版はレイアウトに変化をもたせながらアート紙に印刷 - と、目配りの行き届いた造本は、長谷川七郎著『現代産業美術』。昭和16(1931)年、東和出版社発行の初版本です。タイトルの「産業美術」はプロダクト・デザインからグラフィック・デザイン、博覧会などでの陳列装飾までを含んでおり、主にバウハウス、ニュー・バウハウスの動向に基づきながら、シュルレアリスム、抽象芸術、構成主義など当時の前衛芸術運動との関連性などとともに、日本の「産業美術」のもつ諸問題に切り込もうという著作。選択された図版はヘルベルト・バイヤー、レイモンド・ローウィー、ル・コルビュジエなど、この当時のデザイン関係の書籍では日本でも盛んに紹介されていた第一人者にまつわるものが多いものの、採用された作例は類書ではあまり見たことのない図版も多くとられています。


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戦前日本の前衛芸術運動にも関わりをもった詩人で建築家の長谷川七郎の蔵書が、五反田の古書市場に出現したのは2001年の秋口頃のこと、会場には建築関係の洋雑誌や1950~1960年代ソヴィエトのインダストリアル・デザイン専門誌など珍しいもので溢れており、なかにバウハウス叢書のうち十数冊の入ったヤマがありました。当時入稿の途上にあった自店目録にバウハウス叢書は不可欠に思えてきて、下見から帰って一晩考えた挙句、当時まだ書いたことのなかった金額で、入札本番日に臨みました。古本屋開業から5年ほど経ち、落札から一週間以内に必ずやってくる支払いはますます苦しいものになっていましたが、それでも、落ちなかった時の悔しさの方が何倍も苦いことを、遅まきながら思い知らされていた頃のことです。この日のバウハウス叢書の結果はといえば、確か2万円弱の差で二番札までつけたものの落札できずに終わりました。いつもに倍する悔しさと、何故あともう少し頑張れなかったのかという自分に対する情けなさだけが残ったのを、10年経ったいまもよく覚えています。
■同じ“デザイン”関係ですが、こちらは面倒な説明など不要というものでしょう。四季おりおりの菓子意匠集『あづま錦 二之巻』。大正14(1925)年、東京・下谷のあづま錦発行所の刊行で、二代目・吉川梅次郎の編発行、金沢の老舗和菓子店・森八本店の渡邊菁窩が校訂。木版多色刷による和菓子40P・40図・洋菓子10P・10図の全50P・50図、菓子の銘と意匠・製法を記したこちらも木版による図版対抗ページが50P、トータル100ページ。図版は上から森八本舗新古会の「上生」の7月から12月までの意匠、その左下は考案者不詳の「キャンデー物」、一番下は東京神田・風月堂工場長考案による「流し物」の意匠図。豊かな四季の自然や風物を写した和菓子のデザインは、日本人のもっていたセンスの真骨頂。見ているだけで何だか幸せな気持ちにさせてくれる一冊です。
今週はこの他、造本も魅力的な戦前の専門書『ポスターの科学的研究』旧植民地関係写真帖および写真記録が2冊、木村伊兵衛写真・原弘他デザインの『Living Hiroshima』などが明日には店に届きます。

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