#205 6-1-6 Minamiaoyama Minatoku TOKYO
info@nichigetu-do.com
TEL&FAX:03-3400-0327
sitemap mail

detail

15/05/15 再入荷『舞台建築』はファイアースタイン献呈署名入り! / 昭和初め「山形電気30周年」の写真にうつしとられたものは…?

■小店店主、今週はかなりへこたれておりまして、かねてより懸案の田中千代旧蔵スクラップブック(大量…)の整理には着手できていないし、6月6日からジェオグラフィカさんでスタートするフェア『ジュブナイル アンティークス』に向けて商品はぼちぼち揃ってきているというのに、こちらも準備に着手するに至らず、積りに積った作業とその期限を考えると、明日からの作業がかなり思いやられます。しかも。来週5月19日(火)は洋書会大市の当日で、ほぼ一日がつぶれる目算。作業の手は追いつくのだろーか。あわあわ。
それはさておき。先にちょっと書いた洋書会大市のため、来週火曜日5月19日は、市場から戻り次第営業する予定です。時間的には17時から18時頃までには…と思うのですが、成り行き次第。この日にご来店のお客様は、03-3400-0327までお電話で在席をご確認の上お出掛けいただければ幸甚に存じます。
21日(木)と23日(土)はいつも通り12時から20時で営業いたします。
ご面倒をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

こちら、見覚えのある方もいらっしゃるかも知れません。2008年11月14日付の小店HPで一度ご紹介したことのある『舞台建築』が再入荷しました。前回ご紹介したのが次のアドレス。http://www.nichigetu-do.com/navi/info/detail.php?id=217
ざっと見たところ、大きな修正の必要はなさそうなので、詳しくはこちらをご参照いただければと思います。
2008年当時、ベドリッヒ・ファイアースタイン こと ベドジフ・フォイエルシュタインについてはほとんど手掛りがなかったのですが、その後、フォイエルシュタインが手掛けたカレル・チャペック作「R.U.R.」(=「ロボット」)初演時の舞台装置に関連した展示が演劇博物館で行われたことなどもあってか、今回調べてみると、何と、日本語のwikiが出てきました。ここで彼の経歴についてはたちまちにして概観することができます。
再入荷した当品には、前回にはなかったファイアースタイン (または フォイエルシュタイン もしくは ファーレンスタイン!) の署名と、「Tokyo, 1.Ⅲ. 1927.」の日付および進呈した相手の名前がファイアースタインの自筆で記されています。 wikiにあるように、日本からチェコに帰国したファイアースタインは、1936年、不遇のなかにあって44歳で自死。決して長くはない生涯の一時期を日本で過ごした彼の、生きた、痕跡です。そして、発行日=昭和2(1927)年2月25日からごく近いうちに贈られた相手はさて、舞台人なのか建築関係者なのか、一体誰だったのか - Hattori と読めるようには思うのですが - という興味深い謎をも秘めた1冊です。

■古書の同業者市場でここのところ急騰著しいのが写真資料。もはや私など手が出る価格ではなくなりました。それだけに、何だか隙を突くような格好で落手叶った品物でも、これは面白いと思ったものは大切に扱っていきたいと思います。
雑多なものが詰め込まれたダンボール箱の中から拾い出したこれらの写真もそんなもののひとつ。「祝参十週年」の大看板を掲げた門をよぉーく見ると「山形電氣株式会社」とあります。この会社の30周年を記念して行われた社屋のライトアップとイベントを中心に、地元の街の風景などを写した写真24点です。
「山形県 電気事業 戦前」といったキーワードでケンサクしてみても、「山形電氣株式会社」の名前が出てきません。まずいぞ、これは行き詰るか。と思いながら、「山形電気 三十年」で再びケンサクしてみたら出てきたのが「電力絵葉書博物館」というサイトでした。このサイト、素晴らしい! 無断引用は本当に申し訳ないのですが、山形電気の成り立ちについては同サイトでご確認いただくのが間違いないので、アドレスを下記に。
http://epower-plant.at.webry.info/201310/article_2.html
この情報に基づき、「参十週年」が何時かと割り出すと、明治36(1906)年開業から30年目にあたる昭和11(1936)年。万国旗翻る大テントの下、社員ばかりか地元市民老若男女を招いて椀飯振舞、飲んで食べて舞台上の演目を楽しむ大宴会の様子や、電氣会社に相応しくライトアップされた社屋の夜景などは、日中戦争突入前、地方都市のそこそこ豊かで、モノも人の気持ちにも余裕があったのであろう時代の空気といったものを、そして、電気事業というものが、「地元」の社会といかに密接に結びついているかということ - 今も昔も変わらない事実!?- を、写しとっています。

今週はこの他、左斜め上の画像のような児童向けのドイツ漫画のペラもの13点、石版刷りに金彩を施した1894年のキリスト教の暦12点フランス製の古いグリーティングカード各種約80枚などが明日、店に入ります。

■今週の備忘録。「平和」という言葉をめぐる政治的意図による転位と言葉狩りについて
http://lite-ra.com/2015/05/post-1099.html
再び「日本の歴史家を支持する声明」について。その背景と狙い
http://synodos.jp/international/13990/2
理性的であるからこそ言葉は静かになり、誠実であるからこそ言葉の連なりは長くなる。「分かりやすく丁寧な説明を心掛ける」と云いながら、短い言葉で軽々と約束を連発する政治家の言葉に一体どれ程の理性と誠意が含まれているのだろうかと、テレヴィジョンのニュースを横目に見ながら思ったことです。

inquiry 新着品案内 / new arrival に関するお問い合わせ

お名前 *
e-mail address *
お電話番号 *
お問い合わせ 件名
お問い合わせ 内容 *
  * は必須項目です)

recent