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21/11/27 待望の再入荷2点! ドイツの高級石鹸・香水のカタログ!! プランタン百貨店&ブルネレスキのアジャンダ!!!


■26年目の最初の新着品更新のお約束を反故にして結局1回お休みした格好になってしまいました。先が思いやられるというものです。すみません。
引き続き25周年週間中ですが、明日27日(土)は所用のため、店の開店は夕方以降となります。
戻りの時間についてはFacebookまたはInstagramよりDMを頂戴できればご返信いたします。また、閉店時間は1~2時間延長いたします。
来週は火・木・土曜日のそれぞれ12時より19時で営業いたします。
ご不便をおかけし誠に恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
一週間も放っといたんだからとっとと新着品をやりなさいよ。とどこからか聞こえてまいりました。はいはい分かりました。というわけで今週の新着品のご案内です。

■今週の2点はどちらも小店にとっては再入荷、かつてお求め下さったお客さまのご蔵書の整理にあたり、小店たってのお願いで買い戻させていただいた商品です。
1点目は『MUSTERBUCH DER FIRMA M.KAPPUS』=カプス社の製品ブック(カタログ)。カプス社は1848年にヨハン・マーティン・カプスによって創立された高級石鹸と香水メーカーで、第一次大戦、大恐慌、そしてワイマール共和国当時のハイパーインフレ、さらには第二次世界大戦のドイツ敗戦と怒涛の歴史をみごと乗り越え、2021年現在、石鹸・衛生商品分野でドイツのリーディング・カンパニーとなっています。
今回再入荷したこのカタログには、年記がないのが惜しまれますが、いまはカプス社が製造から撤退した香水類が多数掲載されていること、その商標のデザインや印刷技術の点などからみて、20世紀初頭~第一次世界大戦以前のものではないかと推測しています。
カタログノサイズは約33×25cmとやや大ぶりで石鹸や香水瓶など原寸サイズで収録されているものとみられます。商品は36Pにわたってびっしり並べられており、全ページカラーリトグラフ。さらに。カートン売りの箱のラベルや香水瓶のラベルの全ては別印刷された商標印刷物そのものを瓶のサイズに合わせてカット、それを貼り付けるという、とんでもなく贅沢かつ丁寧につくられたカタログです。
とくに香水の商標ラベルは金色や細部までよく出来ているエンボス加工の小花柄など、いまとなっては特別に手がこんでいて再現不能と思われるもの多数。エンボス好きなら思わず撫でさすりたくなること請け合い。瓶のデザインにも見るべきところ多く、デザインの宝庫てす。

最初にお求めいただいたのはいまから15~16年ほど前のことだったかと思うのですが、当時の小店店主、この手のものはまだまだ出てくるだろうなんて高を括っていたのですが、しかし、今日に至るまで、この1冊以外まだ見たことがないという希少品です。
ついつい絢爛豪華な香水に目を奪われがちですが、何だか美味しそうな黄色い石鹸や、銀色の包装紙に包まれた石鹸がきれいに並ぶページも魅力的。
石鹸は、グリセリン石鹸、ココナツ石鹸、アーモンド石鹸、脂肪石鹸、トイレ用石鹸、医療用石鹸、特製品など7品目128種、すべてデザイン・パッケージ等の異なるお品物を取り揃えてカタログに掲載いたしました by 2代目(←おそらく)カプス。
他にもこのレベルのカタログをもっている方がいらしたら是非小店まで。よろしくお願いいたします。

■こちらもまた、十数年前にはまだこんなものが東京の市場やパリの古本屋に転がっていたのかと感慨深い再入荷2点目。彼の地で仕入れてきたパりの百貨店プランタンのアジャンダで1922年版
アジャンダとは、パリのボン・マルシェ-世界最古の百貨店-の発案でつくられた、もとは家計簿をかねた年間のスケジュール手帖で、後に百貨店やヘアサロンの組合、さらに自動車メーカーなどがまで年末にきそって発行したというフランスで流行した人気ノベルティ、オリジナル商品です。
1922年、プランタンのアジャンダはご覧の通りの中国趣味=シノワズリのテイスト見事にまとめあげたのが小店お客さまならご存知のブルネレスキその人。
ブルネレスキについては挿絵本の作品、次いでファッション・プレートの仕事が知られているのではないかと思いますが、むしろ東洋趣味の印刷物のデザイン(例えば楽譜の表紙絵など)に惹かれます。
このアジャンダでは2色刷の扉、フルカラー印刷の別丁口絵、テキストに添えられた挿画はもとより、365日の日記全ページのヘッド部分に置かれているカット、その全てをブルネレスキが手掛けています。さすがに365種とはいきませんが、日記部分のカットだけで50パターンはあろうかという大車輪でのお仕事ぶり。
もう1冊、1930年用のボン・マルシェのアジャンダというのが実はシャルル・マルタンが1冊全部を引き受けており、こちらも小店にとっては忘れ難い商品のひとつ(『パリ 日本人の心象地図』の巻頭口絵頁に表紙が掲載されています)。
この2冊を並べただけでも、20世紀はじめ、アジャンダがいかに重要なブランディング・ツールだったかよく分かるので、いつかマルタンのアジャンダとも再会したいものではありますがさて…。

コロナによる規制が緩和され、地下鉄はもうすっかり以前の混み方まで回復しました。還暦の店主は25年前には考えられなかったタブレットなんてものを持って地下鉄に揺られながら世界のいまを斜め読みしています。今週は例えばこんなものを。

安全保障の基本は食糧自給率にあり。
https://www.news-postseven.com/archives/20211108_1704663.html?DETAIL&fbclid=IwAR2k48Maq2IBz0xiI67XfVBKDrksln4sDHZ2FO5BZ9u_cofLrXEeDS-MY88
金貸しと、在日と、蔑むなかれ。
https://globe.asahi.com/article/14481843?fbclid=IwAR3m7c6L9meV-RgLJ7zVrBlmkcjJFcoBFvVzifeTjal7MaZgd6uMKcGvKRU
アベノミクスの失敗を未だに云えないのは何故なんだろう。
https://mobile.twitter.com/yukionoguchi10/status/1461078822237868039?t=qroZQT0KwMvgzVTKCDx6ZQ&s=04&fbclid=IwAR21p4rDhcpyEpsqIP_PPNhbF_8yCJs_stswsXO0lBCZQ2mAzEVmaxmGdUY
待つのは自助の崩壊、共助の不在、そして公助という名の冷酷。
https://www.asahi.com/articles/ASPC87KGYPC8UTFL004.html?fbclid=IwAR1g2YCmDPju880GOC7seX4lCQEO6wYUzjxE2ei5efL1jnhugYU-imvTXww
いやはや我々世代の老後やいかに ……
 

 

21/11/20 25周年では有難うございました!更新は月曜日に!


◼️25周年にあたっては、思いがけず多くのみなさまから祝福を賜り、感激が続いております。小店を大切に思って下さる方が、まさかこんなにあろうとは……!有難さを噛み締めた一週間でした。
本当に有難うございました。
なんてことを云いながら、周年のその日に店を閉めたままで迎えるなど、すでに太々しい古本屋にならんとする日月堂でありますが、26年目もまた、どうぞよろしくお願い申し上げます。
とお願いする舌も乾かぬうちになにかとは存じますが、新着品のご案内は月曜日とさせていただきます ……………………… あ、あ、あしからずっ!!!

◼️来週は火曜、木曜、それぞれ12時より19時まで営業いたします。27日の土曜日は所用のため夕方からの営業となります。併せて悪しからずご了解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

21/11/12 重さ約480g? 日月堂 開店25周年!


■この夏、『東京古書組合百年史』という本が出版されました。東京古書組合(略称)の周年記念出版で、発行は2021年8月20日、発行所を東京都古書籍商業協同組合としています。
菊版・二段組382P。堂々たる厚冊です。重さをはかってみると960g。「百年史」と云いますが、東京古書組合には『五十年史』がすでにあるので、この厚さは実質ここ50年のことを集約したものと云えるでしょう。
組合員である小店にこの本が届く少し前、店主は還暦を迎えたところでした。
還暦といったところで年々仕事をこなす効率は低下し、目はぼやけるし膝は痛むし。最近では前歯が少し欠けるなんてこともあってポンコツぶりが目立つばかり。何の感興も沸かないまま、還暦とはまあこんなものかと思っていました。
そんなところに届いた『東京古書組合百年史』です。
近年稀にみる厚さの本を前に、1996年、35歳の時に開業した日月堂の歴史は、東京古書組合の歴史の丁度1/4に当たることに気づきました。実質50年分の歴史を振り返ったこの分厚い『百年史』で云えば丁度半分、重さにして480g分にあたることになります(なるのか?)。
そんなことを思いながら手にもち重みを確認し、机の上に立てしみじみ眺めているうちに、25年という月日は、もしかしたらなかなかのことなのかもしれないなと思い始めました。
これまで10周年も20周年も等閑視してきましたが、四半世紀という"年月の厚み"を目の当たりにして少々たじろぎました。そうか、25年とはそういう時間だったのか。

もしかしたらなかなかなことかもしれない25年は、野のものとも山のものともつかない古本屋とお付き合い下さった、それこそ大人物(冗談ぬき! 大真面目に!)と称されるべきお客さまの存在なしにはあり得ませんでした。
インターネット検索などない時代に素人のまま開業し、何も知らずに初めて手にした戦前の本などにまで値段をつけ、いまは誰も値段をつけたことのないような紙ペラ1枚に値段をつけています。それによって食べてきた小店です。知らないもの、価値体系が定まっていないものに値段をつけ続けた25年でした。
商品をみる目と小店のつける値段を信頼して下さったお客さまがた、小店の拾い出してくる商品を一緒になって面白がって下さったみなさまに、心より御礼申し上げます。
そしてまた、ぼおーっと店で座っているだけの店主の前で、1冊の冊子に秘められた奇想天外な物語を、或いは1枚の紙の上に残る痕跡の歴史的な意味について、数冊の書物を読むに等しく語って聞かせて下さった方々に!
日月堂での25年は、小店と多少なりとも交流をもって下さった全てのみなさまからの、身にすぎる贈り物だと思っています。
本当に有難うございました。


■古本屋というのは商人です。古本屋の表現は全て商品につけた値段に収斂されています。商人である限り値段をつけた商品より前に出ることをすべきではない。ずっとそう考えてきました。
従って、これまで取材を受けたり短い文章を寄稿したりすることがあっても、とりたててご報告しないできましたが、25周年を機に、これまで取材を受けたり原稿を書いた書籍や雑誌から一部を選んで、店内入り口に置いておくことにしました(単なる店の紹介は除外しています)。期間は今月いっぱい。
できればあと5年くらいで引退したい。引退が無理でも前線から撤退できないか、と真剣に考えていることからも、日月堂に30周年はない可能性があります(そうありたいものだと思っています)。
それもあってのことですが、恥をさらすに等しいこんなことは後にも先にも一度きりにしたいと思います。とりあえず25年の変遷が多少お分かりいただけるかも知れません(店主はいまよりずっと若くて全然痩せてる自分の姿にびっくりしています)。
また、今月中にご来店・お買い上げ下さった方には 店内在庫からインスピレーションに基づき、いきあたりばったりの粗品を進呈させていただきます。あ。期待はしないで下さいね。

1996年11月15日。日月堂は現在の目黒線・大岡山駅近くで開業しました。その日は金曜日。当時はまだ目蒲線と云っていた私鉄の改札を出ると、秋晴れの空の下、真正面には雪のかかった富士山が見えました。
南青山に移転したのは2002年。5月21日(火)、パレス青山207号室の一角、3坪という狭小空間をオレンジ色に塗りこめて再スタートをきりました。
2009年にはパレス青山207号室から距離にして23歩、パレス青山205号室に移転。10月12日(月)のオープン以来、いまもここで店を続けています。
2021年11月6日、店へと向かう道の途中にはCOP21で人道的な資本主義についてスピーチした創業者・デザイナーによるファッション・ブランドがあり、ちょうど真向いに店を構えるブランドは、かつてパリで、ユートピアを目指して一斉蜂起した学生・市民を写した写真をファサードの前に大きく掲げていました。
時々、こういう顔を見せてくれる南青山という街の片隅で、いま暫く仕事を続けていきたいと思います。
2021年11月15日(月)、日月堂は25周年を迎えます。
これからも変わらぬご愛顧を 心よりお願い申し上げます。
 

 

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